株主重視を鮮明化、「ファナック豹変」の深層 富士山麓の本拠で起きている変化とは?

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日本国際工作機械見本市「JIMTOF2014」のファナックのブース

ファナックのNC装置は世界シェア5割超。世界中の工場にとって不可欠な存在で、重大な供給責任があり、拠点分散は当然の選択だった。研究所の増設も「耐久試験など、開発に必要な設備を入れようにも入れられないほど狭い」(前出の社員)といわれるように、以前からの課題。現在、製品が「壊れない」という信頼性を最優先に、社長が開発陣にハッパをかけている。研究を加速させるべく、各部署の予算も大幅に引き上げられているという。

開発、生産だけでなく販売面でも態勢整備を進めている。2014年7月にNC装置を手掛けるFA部門に「グローバルセールス推進本部」、同年10月にはロボット部門に「グローバル事業戦略本部」を設置。大手顧客への販売や海外戦略の強化を進める。

4月の決算発表が試金石に

事業拡大のスピードを上げるうえでは人材も不可欠だ。ファナックによれば、2016年入社の大卒社員(以下同)は200名の採用を計画中。2015年4月入社は100名弱の予定で、採用は倍増する。2010年~2014年は20~30名の採用だったことを考えれば激増である。中途採用の募集も積極化しており、拡大意欲は旺盛だ。

2015年3月期は3期ぶりに最高益を更新する見通し。株主重視の姿勢を鮮明にし、成長への道筋も明示しつつある中、注目されるのが例年4月末に行われる期末決算の発表だ。2012年を最後に途絶えた決算会見を再開し、社長が姿を現すのか。ファナックの本気度を占う試金石となる。

(「週刊東洋経済」2015年4月4日号<3月30日発売>「核心リポート01」に加筆)

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