カネ返せ!人気「焼き鳥チェーン店」を斬る 連載史上サイテーの店!ホール以外全て論外

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N君:先生はボロクソに言いますが、この店はそれなりに有名店だし、予約がいっぱいの人気店なんですよ。ネットでも評判がいいから、この店にしたわけですし。
河岸:う~ん、なんでだろう……(メニューや店内、スマホで店のホームページを凝視)。ん……? この店、焼き鳥は1本500円前後の値段をとるのに、飲み放題もあるんだ。
N君:出ました、持論の「飲み放題の店に、うまい店なし」ですか。
河岸:そうだね。だって、普通にしていていつも混む店ような店なら、わざわざ飲み放題にする必要がないでしょ。それに「おいしい焼き鳥を味わってもらいたい」と思っている店が、あえて飲み放題にするとも思えないし。
N君:飲み放題は瓶ビールにサワー各種、梅酒……で2000円。瓶ビール飲み放題で2000円というのは、焼き鳥が1本500円前後と考えると、安いですよね。これはその分を、ほかに乗せているってことですか?
河岸:そうだと思う。きっと宴会狙いでしょう。これを見てごらん。この店は幹事が予約すると、ポイントが貯まってキックバックする仕組みになっている。
N君:最近、多いですよ、幹事に何らかの形でキックバックする店は。この店だけじゃないですよ。なぜいけないんですか?
河岸:そのこと自体がいけないと言うわけじゃないけど、その分をどこかに乗せているわけだよね。特にこの店のように、まずいものを高い値段で出されると、「そんな姑息な方法で客を集めているのか」とガッカリするね。
N君:それにしても、今回の店はホント、値段を考えると「カネ返せ!」のレベルですね……。ホールの人は感じがよかったのに、残念だな……。
河岸:そうだね。値段を考えると、ホール以外は、論外の店だね。しかしこんなひどい店、久しぶりだよ。

 

というわけで「人気焼き鳥店のひどすぎる裏側」は以上です。

焼き鳥については、次回作でたっぷり解説しますが、『「外食の裏側」を見抜くプロの全スキル、教えます。』の中でも「仕入品の冷凍焼き鳥を見抜く方法」などを解説しています。「ねぎま」に注目するというものです。焼き鳥好きの方は、ぜひご覧ください。

次回は、ページの関係で今回は解説できなかった焼き鳥の食べ方、「うまい焼き鳥を食べる、プロの全スキル教えます」(仮)の予定です。

そもそも、今回のN君の「頼み方」にも残念な点があります。何かわかりましたか? 次回たっぷり解説しますので、楽しみにお待ちください。

河岸 宏和 食品業界を知り尽くした男

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かわぎし ひろかず / Hirokazu Kawagishi

食のプロや業界関係者のあいだで「食品業界を知り尽くした」と言われる男。大手ハムメーカー、大手卵メーカー、大手スーパー&コンビニ、数々の食品工場での勤務経験から「肉のプロ」「卵のプロ」「スーパー・コンビニのプロ」とも呼ばれる。

1958年、北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、「農場から食卓まで」の品質管理を実践中。「食品安全教育研究所」代表。
これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハム・ソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け惣菜工場、卵加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。

著書に『スーパーの裏側』(東洋経済新報社)、『ビジュアル図解 食品工場のしくみ』(同文舘出版)などがある。
ホームページ「食品工場の工場長の仕事とは」を主宰。 
毎週発行している無料メルマガは、食品問題や事件が起こったときにすぐに解説するなど好評を得ている。

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