なぜ今?ANAがゴルフ場予約サイトを始めた理由 世帯年収1000万超「マイレージクラブ」の新展開
この新しい取り組みについて、このサイトを企画・運営しているANA X株式会社の前田康之氏(旅行事業推進部・事業推進チーム・シニアマネージャー)に聞いた。同社は「マイルで生活できる世界」をコンセプトにするANAグループのプラットフォーム会社で、2016年にANAマイレージクラブの企画・運営・顧客関連事業を担う部門として分社化され、2021年にANAセールスの旅行事業部門も継承して、事業展開している。
なぜ今、ゴルフ場予約サイトに参入したのか。前田氏はその理由をこう話す。
「ANAのマイレージクラブは現在3800万人の会員様がいるが、30~60代が7割以上を占めており、アンケートでもゴルフに興味・関心を示す会員様が多く、ゴルフをする方がかなりいることが推定される。10%ぐらいはゴルファーではないかとのイメージを持っている」
「全日本空輸株式会社が主催する男子ツアーのANAオープンも2022年で第48回となり、ゴルフとの親和性も高い」
「機内誌『翼の王国』でゴルフ場の広告も多く掲載しており、ANA=ゴルフのイメージもある。マイルでいろいろなサービスやビジネスを展開するなかで、ゴルフというコンテンツは欠かせないと考え、お客様に還元できるサービスとして、ゴルフ場予約サイトを考えた」
2024年春には1000コース以上を目標
ゴルフ場の予約システムへの参入を決めてから、システムの構築まで、1年間の準備期間が必要だったという。前田氏は「実動しているゴルフ場の予約や顧客管理、精算をしている運営システムと、新しく立ち上げたANAのゴルフ場予約システム、ANAマイレージ会員管理とのつなぎ込みが重要で、ゴルフ場運営システムの大手と連携してシステムを作り上げた。 現在は300コース以上のゴルフ場と提携しているが、2024年春には1000コース以上を目標としている」と話す。
現在、予約実績No.1の楽天GORAは1900コース以上のゴルフ場を予約できる。ゴルフ場の数では当面争うのは厳しい。では「ANAトラベラーズゴルフ」の強みはいったいなんであろうか。前田氏は以下の4点を挙げる。
①ANAマイレージクラブ会員3800万人が顧客になる。データベースの活用でいろいろな提案ができる(例えば、会員ランキングに応じて特別なサービスを提供するなど)。
②予約代表者に全員分の予約総額に対して100円=1マイルが貯まる。この点はコンペ幹事には朗報である。 ゴルフ場予約サイトのポイント還元率は低い場合が多いので、1%はゴルファーにとってはメリットだ。
③飛行機はもちろん、ホテルやレンタカーなどの既存サービスを活用して包括的にサービスを提供でき、ゴルファーもワンストップで予約できる。
④ANAの強みを生かし、ANAオープン開催の「札幌ゴルフ倶楽部輪厚コース」や沖縄「琉球ゴルフ倶楽部」など、名門コースも予約できる。 ANAの会員は30~60代が7割、世帯収入1000万円超が5割で、ゴルフ場にとっても優良顧客を獲得できるチャンスとなる。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら