52歳転職で「4社内定」年収増も果たした人のリアル “最終面接落ち"を克服し1年弱で新天地へ

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最後は「ぜひ来てほしい」が決め手に

ただ、森田さんは「内定した会社の中で、最後まで迷った会社がもう1つありました」と打ち明ける。条件や待遇が他の会社よりも良かったという。

しかし最終的に森田さんは野原ホールディングスを選んだ。決定打は何だったのだろう。

それは内定後、待遇など細かい条件を決める面談の場だった。直属の上司や人事担当者たちが揃い、長く広報パーソンとして働いてきた森田さんがどうしても必要だと熱く語ってくれた。その上で「ぜひ来てほしい」と言ってくれたという。

自分のキャリアを認められ、必要とされている。「これ以上のメッセージはない」と感じた森田さんはこの日、入社を決めた。

(撮影:佐々木仁)

入社1カ月でブランディングの戦略案を作成し、仕事を進めている。働き始めて数カ月たつが業務内容や方向性など入社ギャップは少ないという。年収も1割ほどアップする見込みだ。

森田さんにミドル世代が身軽に転職するために日常でやっておいたほうがいいことを聞いてみた。「『自分は潰しが利かない』という声を聞きますが、定期的にスキルの棚卸しをすればできることは見つかると思います。目の前の仕事から逃げないことも大事です」

自身の転職活動には最後まで不安はあったが、仕事や遊びで『やってみたら面白かった』と言えた若い時の感覚を取り戻したかったと話す森田さん。エクササイズで体も絞り、新たな道を軽やかに歩み始めた。そんな森田さんの軌跡には、今後のキャリアを考える多くの会社員の参考になる点が少なくないのではないだろうか。

国分 瑠衣子 ライター

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こくぶん るいこ / Ruiko Kokubun

北海道新聞社、繊維専門紙の記者を経て2019年に独立。社会部、業界紙の経験から経済・法律系メディアで取材、執筆。趣味はおいしい日本酒を探すこと。Twitter:@8kokubun

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