バンライフ女子大生、自由な車上生活を選んだ訳 キャンピングカー生活を送りながら大学へ通う

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宮本さん
愛車を手に入れた経緯を語る宮本さん(東洋経済オンライン編集部撮影)

 

「上海の大学にコロナ禍で行けなくなってしまったように、いつか買うと思っていても、その『いつか』がこないかもしれない。だったら、今、手に入れよう」

キャンピングカーを作るといっても、ベース車両は必要だ。そこで早速、資金集めをははじめる。当時、ちょうど開催されていた「東京オリンピック2020」で、得意の語学を活かし、海外からの来訪者など向けに通訳をするアルバイトで資金を貯める。2021年夏前頃に、約60万円で中古車を購入した。

次は、キャンピングカーへのカスタマイズ。だが、通訳のアルバイトで貯めたお金は、クルマの購入で消えた。そこで、思い切ってクラウドファンディングを利用。自作キャンピングカーを作る支援者を募ったところ、約120万円が集まる。リターンのグッズ代などを差し引いて、約100万円弱が手元に残った。資金ができたことで、2022年の年末頃から、冬休みを使ってキャンピングカーの自作に挑戦する。

キャンピングカーをDIYするときの苦労話

ホワイトボード
学生らしく、壁にはホワイトボードも(東洋経済オンライン編集部撮影)

キャンピングカーを作るといっても、クルマのカスタマイズどころが、もともとDIY自体が得意でなかった宮本さんは、製作にかなり苦労する。作業場所は、建設会社を経営する知り合いの社長さんが、会社の敷地を貸してくれてなんとかなった。だが、木材のカットや加工をする電動工具を使うことすらはじめて。宮本さんが「師匠」と呼ぶ敷地を貸してくれた社長さんに、使い方などを教わりながら作業を行う。

「やっていることが正解なのかもわからなかったので、とても不安でした」という宮本さん。最大のピンチは、室内を作り替えるためにベース車の内装を剥がしているとき。間違ってルーフにあるフレーム部分を無理やり取りはずしてしまったのだ。そのままでは、車体の強度が出ず走行できない。慌てて付け直し、なんとか修復できたが、「かなり冷や汗ものでした」という。

また、キャンピングカーに関する知識もなかったため、イチから自分で調べた。前述したインテリア業界の流行などもこのときに学んだものだ。さらに、自作キャンピングカーを車検に通すための細かい要件なども徹底的に調べる。最後には、自分で陸運支局の車検場までクルマを運び、自ら検査も受け、見事2022年4月にナンバーを取得した。

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