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「キラキラ広報は幻想」つらすぎる海外出張の現実 恐怖で電話の受話器が上げられなくなることも

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  • 鈴木 正義 アドビ執行役員 広報本部長
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朝の情報番組や流行をつくりだすファッション誌などでの新製品紹介は、広報であれば誰もが目指したいところだと思います。しかし、当然売り込みも容易ではありません。昨今はPRエージェンシーにこうした売り込みを依頼する会社もありますが、広報の社員自らが売り込むことも大切です。

気まずい経験を重ね、大切なスキルが身に付く

まず売り込む前に、その媒体を読者・視聴者としてしっかり見ることが大事です。そもそも自社媒体を読んでもいない人から「掲載してください」などと言われても、編集者からするともう少し勉強してきてください、ということになりますので。その上で編集部に何とかコンタクトします。さらっと「コンタクトします」と言いましたが、ここも知名度のある大企業とベンチャーでは難易度が異なります。

『マスコミ対策の舞台裏 役員からの電話で起こされた朝』(日経BP)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

広報「えー、これこれの新製品について一度説明いたしたいのですが」

編集者「はー、では資料を送ってくだされば拝見しますので(お断りムード)」

広報「やはりこうした製品のご紹介は難しいのでしょうか」

編集者「ウチは10代の女性読者が多いので、紹介するのは彼女たちのお小遣いで手の届く範囲のものなんです。後は、はやっていたり雑誌の雰囲気に合っていたりするものですね。真面目な機械モノとかは雑誌の雰囲気に合わないんです」

広報「そ、そうですか。ですねー、ですよねー、失礼しました(気まずい感じで電話を終える)」

こんな感じの電話を5件もかけようものなら、自分の考えがいかに安易であったかを思い知らされ、かなり気持ちが沈んでいきます。最終的には相手と話すのが怖くなって、電話の受話器が上げられなくなることもあります。また断られるのではないか、と。

で、実際に断られます。ただ、こうして気まずさを味わうと同時に、誌面を読んだだけではわからない様々な情報が自分の手元に残ります。雑誌が今盛り上げようとしているテーマ、編集者の関心(仕事の余裕)、あるいは編集会議、取材、撮影、校正、印刷といったスケジュールを把握するだけでも結構役に立ちます。

いうまでもなく、こうした情報は広報としてのスキルアップにつながるわけで、社内からも頼りにされ、メディアからも「この人はわかっている」といった評価を得られるようになります。地味ですが、こうしたスキルこそが広報の「華」なのではないかと思います。

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