購入者分析で見えた「コンパクトSUV」本当の素質 比較車や購入理由からメーカーの課題も露わに

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続いて、購入者が求めていたことを「購入時の重視項目」から確認する。

まず見えてくるのは、ヤリスクロス、カローラクロス、XVの3車の「メーカー」の多さである。トヨタとスバルには、予め買うメーカーが決まっている顧客が多いことが読み取れる。

CX-30購入者は、マツダ車と比較する人が多数であったが、購入時の重視点として「メーカー」にさほどこだわっていないのが興味深い。検討の過程でマツダに興味を抱き、最終的にマツダ内で比較するケースが多かったのだろう。

マツダにはCX-30のほかに、「CX-3」「CX-5」「CX-8」「MX-30」と大小さまざまなSUVをラインナップする(2022年9月には「CX-60」も発売)。

CX-3(写真:マツダ)

今回の比較車種の中で、CX-30は「内装デザイン」「走る楽しさ」が他モデルより突出している。さらに「メーターの見やすさ」も高く評価されており、マツダの狙いとする「人馬一体」的な特徴が購入者に届いていることがわかる。

XVは、「安全性」「悪路/雪道の走破性」が他モデルより高く出ており、まさにスバル車らしい結果だと言える。

XV(写真:SUBARU)

一方で「燃費のよさ」を重視する人はわずか5%程度と、極端に少ない点にも注目だ。これも、ある意味“スバル車らしい”と言えるだろうか。

日産のキックスはe-POWERを搭載することもあり、「燃費の良さ」を重視する人に多く購入されている。また、「環境への配慮」もトップだ。独自のパワートレインによるイメージ形成は、成功していると言える。

激戦区で各モデルのポジショニングは?

最後に、それぞれの車種がどのようなポジショニングを得ているかを分析してみた。分析手法は、複数ブランドのポジションの違いを可視化する「コレスポンデンス分析」を使用する。分析データは、購入車に対するイメージ項目だ(例:ヴェゼルを購入した人はヴェゼルへのイメージのみを回答)。

青いプロットがイメージ項目、赤が車種である。統計上の詳細は割愛するが、距離が近い項目同士は、関連性が高いことを意味している。横軸は、右に行けばいくほど「ラグジュアリー」、左を「親しみ・経済性」と命名した。縦軸は上を「先進・環境」、下を「安全・実用」としている。

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