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"じゃんけん"でわかる「今年幸せになれる確率」 理論物理学者がつづる、人生に役立つ"不思議"

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  • 佐治 晴夫 理論物理学者、北海道・美宙(MISORA)天文台台長、鈴鹿短期大学 名誉学長
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ところで、万物の構成要素である原子は、とても小さな粒子ですが、それらは、さらに小さい粒子をキャッチボールすることによって、互いに姿を変えてゆらぎながら分子を作っています。

自然界には静止状態がなく、常にゆらぐことによって存在しています。人間の脳も例外ではなく、脳細胞のなかの分子がゆらぐことによって、形や音、ニオイなどを“変化するもの”として敏感に感知しています。

ゆらぎにまつわる、こんな興味深いエピソードもあります。世界で二足歩行のロボット研究がはじまった頃、正確に歩くようプログラミングしたところ、なかなか成功しませんでした。

そこで、関節のネジに適当な遊びをつけてガタガタとゆらぐようにしたら、二足歩行が可能になったのです。ロボットにも、ゆらぎが必要だったというわけです。

不確実性があるからこそ、生命体は存在できる

自然界に多くみられる“ゆらぎ”には、半分予測できて半分予測できないという性質があります。これを、“f分の1ゆらぎ”といいます。

たとえば、自然界の風は、扇風機と違って、吹かないと思ったら吹いたり、吹くなと思ったら吹かなかったり、また吹くなと思ったら吹くこともありますよね。

実は、冒頭でお話しした小川のせせらぎの音や星のまたたきも同じようなゆらぎ方をしていて、私たちの脳は、この“ゆらぎ”の刺激を受けると、脳自身のゆらぎと呼応して、心地よい、美しい、と感じるらしいことが最近の研究で分かってきました。

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さて、半分予測できて半分予測できない、ということは生きていくうえでも大事なことです。明日のことがまったく予測できないと、怖くて生きていけないけれど、明日のことがすべてわかっていたら、やはり怖くて生きていけません。

今日はお金がないけれど、明日は給料日だからがんばろうと思えるし、明日の何時何分に大事故にあうなど、わかっていたら不安でしかたがありませんよね。

その不確定性があるがゆえに、すべてが存在できるし、生命体も存在できる。半分予測できて、半分予測できないというのは、生きていくために自然界からもらった大事な知恵なのです。

※1 GCPの3パターンをワンセットとし、毎回違うパターンを出すことを条件とする。
※2 厳密には、ネイピア数e(=2.71828……)の逆数で、0.3678……(≒37%)です。

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