"じゃんけん"でわかる「今年幸せになれる確率」 理論物理学者がつづる、人生に役立つ"不思議"
私は数学や物理学を学んだ後、NASAの客員研究員を務めるなど、長年宇宙研究に携わってきました。宇宙と聞くと、どんなことをイメージしますか? 自分とは遠く離れた世界のことだと思う方もいるでしょう。
人間と宇宙には深いつながりがあります。宇宙を知ることは、自分について知る旅――長い研究人生を通して、私はそう感じています。
この十数年は宇宙研究を通じてえたさまざまなことを平和教育に役立てたいという思いから、これまで五百校を超える小中学校で出張授業を行ってきました。八十歳を超えた今も、日本中を飛び回っています。ふだん私が授業や講演などで話していることを、読者のみなさんにもお伝えしていきたいと思います。
「あなた」は、あなた以外のものから作られている
ここでは、“自分”について少し話しましょう。みなさんは、ご自身についてどんなことを知っていますか? 私たちの体を構成しているすべての物質は、星が光り輝く過程で作られました。その星が超新星爆発というかたちで終焉を迎え、宇宙空間にばらまかれた。その星のヒトカケラから地球ができ、人間が誕生しました。私たちはその星のヒトカケラ、つまり自然の分身です。
自分は、自然の分身――そう言われても、ピンとこない方もいますよね。では、水を例に考えてみましょう。水は何でできているかというと、「水」からではなく酸素と水素から成り立っています。それと同じように、人間の体も星のカケラ、もっと詳しくいうと数十兆個の細胞が集まってできているのです。つまりあなたは、「あなた」からではなく、あなた以外のものから作られている。それが、あなたの体の正体です。
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