仏政府が後援「食のランキング」のスゴい仕組み アルゴリズムに基づき1000軒をランキング化

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トップ1000を国別にみてみると次の通り。

日本138軒
中国(香港、マカオ、台湾を含む)129軒
フランス107軒
アメリカ104軒

上位の国をみると、アジア勢の躍進が目立つ。とくに日本は創設してから連続して最多数を記録し、世界で最も多くの星をもつ美食都市にふさわしい結果を残している。

今年の傾向についてフォールさんは「今年は日本、メキシコ、アメリカ、タイ、韓国、北欧が特に伸びていました。アメリカは5年前にランクインしていたレストランが今年の半分だったので、非常に躍進しているといえるでしょう。また今年から、ランキングはついていませんが、パティスリーも掲載するようになりました。高級パティスリーから、ベーカリーパティスリー、ティーサロン、コーヒーショップ、オンラインパティスリーまで、世界で700軒以上になります」と語る。

レストラン
フィリップ・フォールCEO(写真:ラ・リスト提供)

1000軒を選び出すアルゴリズム

では、これらの1000軒を選び出すのに、どのようなアルゴリズムの手法が用いられているのだろうか。具体的には以下の1~6の段階を経る。

1. 集積

グルメガイド、新聞、SNS、食インフルエンサーなど、1010に及ぶ信頼性の高いソースをもとに、世界のレストランをデータベースに集積

2. 標準化

ソースの特性を勘案した変換表にしたがって、個々のレビュースコアを、0(最低値)から100(最高値)までの標準化された点数に変換

3. ガイド格付け

シェフへのアンケート結果をもとにして、ソースに0(まったく信頼できない)から10(非常に信頼できる)までの信頼度係数を付与

4. 信頼度係数を加味

リストに掲載された各レストランに対し、信頼度係数を加味してレビュースコアを平均化

5. カスタマーレビュー

ネットでのカスタマーレビューを10%の比重で組み込む

6. ランキング

データベースにあるすべてのレストランで「ラ・リスト スコア」を算出してランキング

アルゴリズムで評価するにあたって、フォールさんはテニスの世界ランキングを参考にしたという。たとえば、同じ順位であったとしても大会によって獲得できるポイントが異なるのと同じように、レストランが掲載された情報ソースによって評価の比重を変えているのだ。

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