日本人が知らない世界5大炎上事件ファイル2022 児童、偽善、歴史、性別、宗教を不適切に扱った

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炎上
海外の炎上事件を追随しないように日本人も学ぶ必要がある(イラスト:sayu/PIXTA)

メディアやSNSを通じて、日本にいながらも海外の情報が入りやすく、世界とつながるようになってきた。一方、言語の差や文化の違いがあって、海外では大炎上した事件であっても、日本には意外と伝わっていない話題がある。

日本で起きたことも世界にめぐって炎上する可能性がある。そこでここでは今年、海外で企業が炎上した例をとりあげたい。他山の石にして教訓にしなければならない。大きなテーマは「児童」「偽善」「歴史」「性別」「宗教」の5つだ。

幼い少女になんてことを

・1例目:バレンシアガ

高級アパレルブランドとして知られるバレンシアガは11月、年末商戦にあわせて広告を出した。そこでは幼い少女がベッドの上に立ち、テディベアを抱えていた。

問題だったのはそのテディベアが性的興奮を誘うような着衣をしていたことだ。すぐさま炎上して、バレンシアガはただちに広告を取り下げた。

非難の声は、単にデザインの悪趣味さを否定するものから、幼い少女を性的対象にする気持ち悪さ、子供を搾取の対象にすることの忌避、さらに児童ポルノ法違反ではないか、とする声もあがった。

これは外部の制作会社がつくったもののようだが、バレンシアガの事前審議が甘かったのは間違いない。ブランドがもっているのはイメージだけであり、その毀損は大きな損害につながりかねない。

英語サイトではこの件について画像付きでいくつか報じられているが、それを見ても何が問題なのか気づかない人がいるかもしれない。この宣伝にかかわった関係者たちもそうだったかもしれない。ただ高級ブランドを買い求める層は、その先に同年齢の子供を抱えているかもしれない。多重なチェックがあらためて重要だと気付かされる。

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