日本人が知らない世界5大炎上事件ファイル2022 児童、偽善、歴史、性別、宗教を不適切に扱った

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ドイツのケンタッキーフライドチキンは、なんとこれを記念日としてマーケティングのメッセージを送ってしまった。クリスピーチキンとチーズを勧めるものだった。過去の暗い思い出、あるいは先祖の苦しみをしっている人からすれば許されない通知だった。同社はただちに不適切だったとして取り消し、謝罪した。

内部プロセスに不備があったのは間違いない。そのプロセスでは、自動的にメッセージが流れるようになっており、国家の行事にリンクされていた。カレンダーのコンテンツと、そのマーケティング内容があまりにも乖離していた。どこまで自動化されていたかは不明だ。ただ、企業は消費者の好意から購買に移行してもらう。過去の大惨事と連関させるのはご法度といっていい。政治的なイデオロギーの問題ではない。消費者への敬意が根底にあってしかるべきだろう。

グローバルブランドがあろうことか

・4例目:中国P&G

中国P&Gは、「女性の足が男性の5倍ほど臭い」という記事を投稿した。「信じられなかったら、いますぐ嗅ぐ必要がある」という内容だ。

これによって女性たちは最高のメーカーから最低のメーカーと意識を変えるしかなかった。中国という最大の市場を、この1つの記事で失いかねなくなった。

科学的に絶対の自信があるならともかく、そもそも根拠も薄弱な話だ。中国P&Gはすぐさま撤回し謝罪した。女性に対する蔑視表現と捉えられても仕方がない内容だった。

SDGsでもCSRでもよいが、基本的にグローバルブランドは男女平等をうたっている。またLGBTにも理解があるはずだ。それなのに根拠のない男女の差をセンセーショナルに書いて注目を浴びる試みはまったく的を射ていない。

なおここからは私の予想にすぎない。実際に記事を書いたのは外部の委託業者だったかもしれない。もちろんチェック機能はあっただろう。しかしチェックがゆるく、予想外の記事が外部に出てしまうことがある。コンテンツの管理はこれまで以上に重要になっている。

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