日本人が知らない世界5大炎上事件ファイル2022 児童、偽善、歴史、性別、宗教を不適切に扱った

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・5例目:スペインのバーガーキング

最後の晩餐でイエスは弟子らと会話を交わす。そして弟子が食事をしているとき、イエスはパンを取りちぎって弟子に語りかけたことが聖書に記されている。「食べなさい。これはわたしの体です」と。

話は現代にとぶ。スペインのバーガーキングだ。ここではベジタブルバーガーを宣伝していた。そのときに、先にあげたイエスの言葉を引用した。「食べなさい。肉はない。100%野菜です。ベジタリアンです。100%の風味です」と書いていた。

当然ながらスペインのローマカトリック教徒から大反対にあった。イエスの肉を野菜に置き換えたのは悪趣味だった。もちろん宗教的な意味は漂白されている。なお広告の作成側としては全人口の大半を占めるローマカトリック教徒を、むしろ狙ったものだっただろう。しかし敬虔さへの敬意を欠いていた。

同社は即時、広告キャンペーンをとりやめた。謝罪をして、宗教者を傷つける意図はなかったと釈明に追われた。

2022年 炎上案件まとめ

ここまで2022年の炎上案件を見てきた。「児童」「偽善」「歴史」「性別」「宗教」のどれも、日本人に理解できる内容だったのではないだろうか。それくらい日本と世界の価値観が同質になってきたといえるかもしれない。

日本語が壁になって、海外では炎上しにくい。しかしこれだけ翻訳ツールとSNSが発達したいまもしかするとあなたも、あなたの企業も炎上の対象となるかもしれない。過去の事例から学ぶ意味は日に日に大きくなっている。

坂口 孝則 未来調達研究所

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さかぐち・たかのり / Takanori Sakaguchi

大阪大学経済学部卒。電機メーカーや自動車メーカーで調達・購買業務に従事。調達・購買業務コンサルタント、研修講師、講演家。製品原価・コスト分野の分析が専門。代表的な著作に「調達・購買の教科書」「調達力・購買力の基礎を身につける本」(日刊工業新聞社)、「営業と詐欺のあいだ」(幻冬舎)等がある。最新著は「買い負ける日本」(幻冬舎)。

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