東京23区タクシー運賃「15年ぶり」値上げの実態 初乗り420円→500円、運転手採用増に期待も
近畿運輸局によると、12月16日時点の申請数は全車両の約49%。今回の運賃改定要請の対象企業は215社で、現状87社が運賃改正をしたいという意思を示す。
大阪府には、2016年に7割の賛同が集まらずに運賃改定が頓挫した過去があるが、今回の申請は当時よりも速いペースで申請数が伸びているという。
運賃改定は何度も繰り返せない
大阪地区の現行運賃は2020年2月に改定されたものだ。大阪地区には、運賃が5000円を超えると超過分が5割引になる「55(ゴーゴー)割」という独自の遠距離割引制度がある。
9000円を超えた運賃の超過分が1割引になる東京の制度と比べると、大阪の「安売り」ぶりが際立つ。大阪でも事業を行う日本交通(東京・日本交通)の担当者は、「大阪は安売りが東京よりも過度な形で進んでいる。事業を継続するためには安売りしすぎてはいけない」と警戒感を滲ませる。
タクシーの運賃は、国土交通大臣から認可を受けた水準に設定しなければならない。運賃認可のためには煩雑な諸手続きを踏む必要があり、運賃改定はそう何度も繰り返せないというのが日本の現状だ。
国際自動車の松本常務は「今回の東京のような一度に14%の値上げはインパクトとして大きすぎる。本来は2~3年ごとにこまめに原価構成を見て、運賃の見直しをするべきだ」と話す。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら