そのためには、オフィス勤務であれば職場を歩き回って雑談をしたり、リモートワークであれば、可能な限り雑談web会議を開いたりして、「話せる」間柄になっておきたい。ただし、目的がないと設定しにくかったり、声の大きなメンバーばかりが話したりすることにもなりかねない。
例えばチームでの雑談会として、月に1回、みんなでランチを食べながら、全員が近況を報告し合うのはどうだろう。もし声が大きい人ばかりが話すようなら、その場で「全員が話す」ようにリーダーが仕向ける。要は、雑談会、と言いながら完全に雑談に任せるのではなく、リーダーがファシリテートしていくのだ。
「聞いています」のサインを送る
多少話せるような関係になったら、あとは1on1をやりながらたくさん話してもらう。このとき、姿勢や表情、うなずきなど、すべてのリアクションを使って、相手にサインを送ることが必要になる。1on1だから、という話ではなく、コミュニケーションにおいてはつねに大切なことだ。
姿勢。前のめり一択。ふんぞり返った人にたくさん話したくなる人はいない。
表情。柔らかで、しかし真剣な表情。聞いているんだ、とわかるように。
うなずき。適度に、相手の話を遮らないように。
このようなことは「会話術」の本にたくさん出ているかもしれないが、しっかりと細かいところまで気を配りたい。相手はそういう細かいところまで見ている。決してマニュアル的に、一つひとつをチェックしながらやるわけではないが、全身に想いを込める。そのスタンスも相手は見ている。自分の心を開いて、相手に「聞かせてー!」という想いを(さりげなく)伝えることだ。
返事のパターンだっていろいろある。
「ええ」が基本としたら、「ええ、ええ」と繰り返したらより反応が大きく感じられるし、「へぇ〜!」という返事には「なるほど、そこはもう少し聞かせて」というニュアンスのサインが含まれる。「なるほど!」は理解が深まったサインだ。
これらは、パターンを決めて機械的にやるのではなく、返事に想いを乗せて、相手に伝えるようにしよう。
たくさん話してもらうには、返事だけではなく、ちょっとした質問も交えるとよい。これも苦手な人が多いのだが、基本的には3つの軸を押さえておけばOKだ。
1つめは、みなさんご存じの「5W1H」。
■ どこで(Where)
■ 誰が(Who)
■ 何を(What)
■ なぜ(Why)
■ どのように(How)
話を聞きながら、より話が深まりそうなものを選んで、聞いてみる。例えば、「こう思ったんですよね」と話したら、「それを思ったのはいつ(When)のことですか?」とか、「いやな思いをしたんですよ」ときたら、「どのように(How)いやな思いをしたのですか?」といった具合だ。
もちろん、すべての情報で5W1Hを明確にする必要はないが、ぱっと質問する際に活用できる。
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