僕は武蔵野EMCで、学生たちと1on1ミーティングを行っている。1年生は、まだ1on1ミーティングを行う習慣もないし、その効用もあまりよくわからないので、僕から「1on1ミーティングやります」と言って、1年に数回、学生たちを誘い、参加してもらう。そうしているうちに、1on1が自分のための時間であり、やることに意味があるんだな、と感じてくれるようになる。
2年生になったら、もうこちらから全員に対し1on1をやろう、と言うことはしない。一方で学生たちが適宜「1on1お願いします!」とメッセージを送ってくるので、まさに「メンバーのための時間」として活用されている。
ただし、メンバーの自主性「だけに」任せていると、次第に面倒になって1on1をやろうとしなくなることもある。やっぱり「したいときにする」では効果は半減だ。
だから、「メンバーのための時間」とはいえ、リーダーとメンバーで話して、定期的に1on1の時間を設定することが望ましい。頻度は、できれば毎週。状況によっては2週間に1回とか、1カ月に1回でもよいかもしれない。ただ、チームにおける1on1の頻度としては、それ以上間が空くのはあまり望ましくないように思える。
メンバーの話に耳を傾ける
先述したように、1on1ミーティングはリーダーのための時間ではなく、メンバーのための時間である。だから、当たり前ではあるが、リーダーが話すのではなく、基本はメンバーが話し、リーダーは聞く、ということだ。まずは的確なアドバイスも必要ない。ただただ、たくさん話してもらうことだ。
なぜたくさん話してもらうことが大事なのか。もちろん、リーダー側の利点として、メンバーの状況がわかり、相手に対する理解が深まり、サポートしやすくなることもあるだろう。だがそれ以上に、口に出して話をしてもらうことで、メンバー自身の思考が構造化されていく(具体的な形になっていく)、という効果がある。
メンバーはたくさんの「もやもや」を抱えている。「もやもや」は、何が課題かわからず、なぜこうなっているかも明確にならず、そしてどうしたらいいかわからないから、「もやもや」なのだ。
ただ「まずいな!」「わからないな……」という感情がたくさん、まとまりなく、おたまじゃくしのように頭の中をうごめいている、という感じと言えばわかりやすいだろうか。これを言い換えると「もやもや悩んでいる」ということだ。
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