東武東上線、鶴ケ島―北坂戸間には何がある? 昔ながらの駅前風景あれば「急成長中」の駅も

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そしてもう1つ、若葉駅には知る人ぞ知る観光スポットがある。

「聖天宮といいまして、若葉駅の東側に出てまっすぐ道を歩いてゆくと、突然現れる台湾のお宮です。台湾のお宮としては日本最大級ということで、まだまだこのあたりに何もなかったところに台湾の方が建立したそうです。ドラマやCMのロケ地としても使われていますし、中に入ると台湾のスイーツとかお土産とかを売っていて、あとは台湾風のおみくじとか。門や建物の彫刻もすごいですよ。日本に居ながらにして台湾の雰囲気を味わえる。お客さまからも、『聖天宮はどうやって行くんですか?』と聞かれることもありますよ」(石田駅長)

聖天宮は1995年に完成。雑木林を切り開いて建てられたとかで、すっかり坂戸市を代表する観光名所の1つになっている。

「一番勢いがある」若葉駅

陸軍の飛行場にはじまって、団地ができて駅ができ、アスレチックに聖天宮。近年マンションの進出もめざましく、映画館も入っている複合商業施設「ワカバウォーク」もできた。もともとは駅長が置かれた駅ではなかったが、こうした急成長を反映してか、いまでは駅長所在駅に改められた。開業当時の橋上駅舎もそれにあわせて増床したそうだ。

「若葉駅についてはまだまだあるんです。明治のチョコレート工場があって、工場見学もやっていて。このあたりでは、いま一番勢いがある駅が若葉駅だと思います」(石田駅長)

地域の中心にして交通の要衝でもある坂戸駅、それをいまや凌駕する勢いの若葉駅。昔ながらの面影を留める鶴ケ島駅、そして団地のために開業した北坂戸駅。沿線の人でもなければなかなか縁がなさそうなエリアだが、ひとつひとつ歩いてみれば意外と見どころはあるものだ。それを探して、首都圏近郊の小さな駅に気が向くままに降りてみる――。遠くに出かける時間がなくても、楽しい休日が過ごせるに違いない。

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鼠入 昌史 ライター

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そいり まさし / Masashi Soiri

週刊誌・月刊誌などを中心に野球、歴史、鉄道などのジャンルで活躍中。共著に『特急・急行 トレインマーク図鑑』(双葉社)。

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