ワタミ、「10年ぶり値下げ」でも拭えぬ不安 総合居酒屋の"顔"が抱える問題の本質
「2015年は居酒屋チェーンのど真ん中に立ち戻っていきたい」――。3月1日に清水邦晃氏が社長に就任した居酒屋チェーン大手のワタミ。3月19日に新体制では初となるメニュー改定を発表した際、新社長は力強くこう宣言した。
同社は「和民」や「坐・和民」など主力業態のメニューを4月から順次改定し、1皿当たりの平均単価を約1割引き下げる。値下げに踏み切るのは10年ぶりとなる。
今回の改定によって、生ビールは490円から450円に、ハイボールは450円から290円にそれぞれ値下げする(いずれも税抜き)。料理はボリュームを減らし、1皿の平均単価を449円から401円に引き下げる。全メニューに占める300円未満のフードの割合は21%から41%に増える一方、500円以上の割合は24%から9%まで減少する。
逆張りの値下げ戦略
目下、外食業界では「安ければよい」ではなく、「高くてもいいモノを食べたい」という傾向に消費者のニーズがシフトしている。
たとえば、すかいらーくが展開するファミレス「ガスト」では昨年、1000円を超える季節メニューを中心に付加価値の高い商品の販売が伸び、既存店売上高は前年比1.7%増となった。
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