遠藤:休憩時間は、みなさん、どちらにいらっしゃるんですか。
村上:みんなが思い思いの時間に、事務室に自然と集まってくるようになっています。部署ごとに人が分かれると、気持ちも分かれしまって、一致団結できませんから。
遠藤:現場では「チームワーク」が大切だからこそ、それを生み出す工夫を「仕組みの面」でもいろいろしているわけですね。
村上:ええ。事務室にいれば、私だって電話当番のひとりです。
遠藤:それはすごい。組織のフラットさも含め、すべて意味があるんですね。チームワークを育むために適切な距離感や、共通の空間は、とても大事だと思います。
人生は掛け算、失敗を恐れない勇気がいる
村上:そもそも、私は落ちこぼれですよ。私の代わりに4月から館長になる副館長も、私よりはマシですけど、やっぱり勉強が苦手でした。しかし、クラゲの話になると、その知識と経験値は、もはや東大卒が圧倒されるレベルです。
遠藤:クラゲの話になると、副館長は話が止まりませんしね。
村上:彼を見ていると、「人間の価値は掛け算なんだなぁ」と思います。黙っていても給料がもらえるから言われたことだけやる、自分からいっさい動かない、挑戦しないのは、私に言わせれば「ゼロ」要因なのです。事なかれ主義のマイナス思考も「ゼロ」。
遠藤:「ゼロ」には何を掛けても、「ゼロ」ですよね。いくら能力やスキルが高くても、何かひとつ「ゼロ」要因があれば、結果として「ゼロ」になってしまう。
村上:逆に、「ゼロ」要因がない人は、失敗を恐れない勇気や情熱さえあれば、人生は掛け算だから、その価値を大きくすることができます。何事もやってみないとダメ。何かやってみれば、その後の景色は違って見えてきて、新たな道も見つかるはずです。
遠藤:村上館長の「世界一」への軌跡も、「掛け算」そのものです。あらためてお話を伺うと、その過程は大変そうですけど、現場の「イキイキ感」が伝わってきます。
(構成:荒川 龍、写真:梅谷秀司)
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