鉄道の終夜運転縮小、「利用減」以外にもある事情 2022~2023年の年越し、関西は復活する路線も

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縮小

関東圏では縮小傾向の一方、関西圏の一部鉄道会社は終夜運転に力を入れている。

路線延長が長く沿線に寺社が多い近鉄は、特急列車も含め昨年も大規模に終夜運転を行っているが、今年も吉野線・田原本線・湯の山線・志摩線と鳥羽線の五十鈴川―鳥羽間を除いて実施する。大阪線や奈良線、京都線といった主要路線は区間によるが20分~30分間隔での運転だ。特急も各線で運行し、大阪・名古屋から伊勢方面へは、看板車両の「ひのとり」を使用した列車も走らせる。

2022~2023年の終夜運転

「3年ぶり復活」もあるが…

関西圏では阪急・阪神は実施せず、南海やJR西日本は終電延長という形だが、今年は終夜運転を復活させる鉄道もある。京阪電鉄は、大津線を除く各線で3年ぶりに実施。12月17日から31日までは一部の列車に「終夜運転復活」のヘッドマークをつけてPRする。

また、関西ではないが京阪同様3年ぶりに復活するのは名古屋市営地下鉄。上飯田線を除く各線で終夜運転を実施する。昨年も実施した九州の西鉄は、西鉄福岡(天神)―太宰府間で20分~30分おきに急行・普通を運転する。

京阪や名古屋市営地下鉄のように復活させる鉄道もある一方、全体的にはやはり縮小傾向にある終夜運転。コロナ前から利用者は減っており、2000年代にはすでに取りやめていた鉄道もある。さらにコロナ禍で年越しの外出自体も少なくなり、実施しても最低限の運行となっている路線がほとんどだ。都市部であっても全面的に取りやめた東京メトロや都営地下鉄は、大みそかから元日にかけての鉄道利用が減ったことを象徴しているといえるだろう。

また、以前より鉄道各社の経営も厳しくなった。前述のとおり、動力費の上昇などがこんなところにも影響を与え、以前のように派手にサービスを展開できる状況ではなくなっているのかもしれない。

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小林 拓矢 フリーライター

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こばやし たくや / Takuya Kobayashi

1979年山梨県甲府市生まれ。早稲田大学卒。在学時は鉄道研究会に在籍。鉄道・時事その他について執筆。著書は『早大を出た僕が入った3つの企業は、すべてブラックでした』(講談社)。また ニッポン鉄道旅行研究会『週末鉄道旅行』(宝島社新書)に執筆参加。

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