阪本様、私はこの竹岡夫妻をはじめ、多くのご夫婦のありかたについて話を聞いてきました。そのことを踏まえて申し上げると、ご夫君は、あなたのことを空気のように思っているのです。私たちが普段、空気に感謝することを忘れているのと同じように、あなたのしていることは、妻や嫁の義務として当然だと考えているのです。空気に感謝したり礼を言ったりする人はいませんよね。そして空気に対して、つまりあなたに対して、どれだけの忍耐と犠牲を強いているかなど、みじんも感じていません。
最初からあなたが彼に性格的に負けていたとはいえ、そして言っても無駄だと察しがよかったとはいえ、あなたが黙って従い続けたことが、さらに彼を今のように鈍感にしたのです。
もっとも、あなたが言わなくとも、普通の夫でしたらそこまで関白になりませんし、あなた自身が自分は家来だと思うほどの扱いを、しませんが。
未練を残して離婚をしてはいけない
ここで、前出の孝子さんとあなたのいちばんの違いを申し上げます。それはあなたはまだ、夫のいい部分も認めていることです。彼が素振りでだけでも、あなたへの思いやりを示してくれれば、それだけでがんばれるのですね。温泉へ一緒に行こうと誘ってほしかったのですね。あなたがたはまだまだ、離婚するほどの仲ではありません。
孝子さんの場合は、旅行に一緒に行ってもしかられることが多く、親子で行ってくれれば、その日は怖い人たちが留守になり、家は平和で天国のようになったそうですよ。多分ご夫君は、あなたにとっては魅力的な部分も、まだたくさんお持ちの方だと推察いたします。
そのような間は、別れてはいけません(もちろん、婚姻関係の継続は、魅力の有無以前の問題ですが)。彼が母親の肩を持つのは、あなたが言っている、自分の母親への不満がもっともであればもっともであるほど、聞きづらいからなのです。
もう少し彼が大人だったら、あなたへの感謝を忘れず、いたわり、母親は年老いているから堪えてくれと、謝りの1つも言うのですが、なにぶん、あなたは彼にとっては空気です。こういう人は、いつも空気にはモノを言いません。
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