結婚条件は「ワクチン打たない人」47歳彼女の選択 理想の相手を見つけた人が絞り込んだ3条件

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「お互いに今までの人生はいろんなことがありすぎたね、これからは劇的なものは望まずに穏やかに暮らせればいいよね、という話に落ち着きました。美味しいゴハンを食べて晩酌ができればいい、という老夫婦みたいな結論です」

純二さんは自分の畑の近くに4DKの平屋を借りて住んでいる。今のところ農業の収入は少ないが、都市部ではないので家賃も安く、一人暮らしに問題はない。美香さんはその家に「身一つで転がり込む」予定で、すでに近所の食料品店での週末のアルバイトも始めている。世帯収入を補いつつ農業を手伝っていく予定だ。

細かい条件は違うのに似ている2人

「いろいろ大変だったのに前ばかり見ている彼と一緒にいると気が楽になるんです。彼からも『悲惨な話をあっけらかんと言うね。悲壮感がないのがスゲー』と言われています。確かに振り切ってしまった感じはありますね」

そして、冒頭のセリフに戻る。美香さんは結婚相談所の担当者から「細かい条件はお互いに違うけれど、こだわりの勘所が似ている」と純二さんを紹介された。ワクチン嫌いの自然栽培農家と知ってピンと来た。これは面白い、と。万人受けはまったくしなくても自分に受ければいいのだ。

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「大学院卒の大企業社員など、立派な経歴の男性ともお見合いしました。憧れは感じても面白い!はなかったです」

社会人としての経験を重ねてくると、いい意味でふてぶてしくなると筆者は感じている。人生には避けられない不運や失敗はあるけれどなんとか生き延びてきた――。その自信があれば、他人や世間の基準ではなく自分なりの価値観で人生の選択をできるようになる。

美香さんと純二さんの間には他人への羨望交じりの恋愛感情や計算高さは存在しない。そこにあるのは同志の笑いに満ちた連帯である。

(取材協力:結婚相談所Repre)

本連載に登場してくださる、ご夫婦のうちどちらかが35歳以上で結婚した「晩婚さん」を募集しております(ご結婚5年目ぐらいまで)。事実婚や同性婚の方も歓迎いたします。お申込みはこちらのフォームよりお願いします。
大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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