日経平均は2万円を超えたら暴落するのか 日本株は過熱気味?それとも適正水準?
(質問)最近の国内株価が堅調なのは、実態が悪いのに、公的年金が力づくで買い上げているためで、公的年金の買いが一巡すると株価は暴落するのではないでしょうか。
「クジラ」の購入だけでは、今の活況を説明できない
公的年金(マーケットではクジラと呼ばれる)もそれなりに株式を購入していますが、その買いだけで最近の株式市況を説明するのは無理です。
東証1部の週間投資家別株式売買動向をみると、2月第2週までは信託銀行(公的年金等の運用資金が委託されている)の買い越しが目立ったものの、第3~4週は海外投資家の買い越し額が信託銀行を上回っています。さらに3月1~2週は、海外投資家が買い越しを続けている一方、信託銀行は売り越しです。これをみると、公的年金主導の株価上昇とはとても言えません。
(質問)馬渕さんは、今後株価が上昇し、日経平均がいったんは2万円を超えると予想しているとの解説ですが、なぜですか?どういうきっかけで株価が上がるのですか?
企業収益が緩やかに持ち直すので、それに沿って株価が上昇すると考えています。今2014年度、来2015年度と、おおむね10%程度の増益が見込まれていますので、株価も10%前後上がっておかしくありません。現時点から日経平均が10%上がれば、2万円を超えます。特に「きっかけ」というものはないでしょう。
(質問)きっかけがないのに、株価が上がるのですか? ジワジワと企業収益が増えて、それに沿ってじわじわと株価が上がるという見通しでは、つまらないですね。
はい、つまらないことが起こると予想しています。「何か驚くような出来事がないと、株価は動いてはいけない」というわけではありませんよね。投資家の目を引くことを目的に、先行きのイベントを大げさに騒ぐ専門家も多いですが、現実は、しばしば地味でつまらないものです。また、株価予想のシナリオが面白いかと、的確かどうかは、だいたい無関係だと思います。
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