「サクラ/ekクロスEV」が並み居る強豪に勝った訳 日本カー・オブ・ザ・イヤー2022-2023選出の裏側

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インポートカー・オブ・ザ・イヤーはヒョンデIONIQ5とルノー アルカナの得点差は5点と接戦だった。革新的な内外装デザイン、実用的な走行距離、コストパフォーマンスなどで世界でも高い評価を得ており、筆者も選考委員を務める昨年のワールド・カー・アワードでは「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」「ワールドEVオブ・ザ・イヤー」「ワールドカーデザイン・オブ・ザ・イヤー」の3部門を受賞した。

これまで日本での韓国車の評価はクルマの実力以外の部分が足を引っ張っていた感があったが、今回は純粋にクルマとして評価されたわけである。

もちろん、今回の結果に異論がある読者がいるのもわかる。ネットには「●●に忖度」や「この結果はありえない」「評論家の見識を疑う」「点数のために金をバラまいている」といったようなコメントも見かけられたが、勘違いも甚だしく、そんなに自動車メーカーは甘くない。60名の選考委員は真剣に採点を行っていることを、理解してほしいと願っている。

COTYにも次の一手が必要か

一方で、日本カー・オブ・ザ・イヤーへのさらなるプレゼンス向上のためにも、次の一手が必要な時期に来ているのも事実だろう。一般投票があったほうがいいのか? 採点方法はこのままでいいのか? 多種多様なジャンルを一度に評価するのは是か非か? 

何が正解なのかはわからないが、自動車業界は100年に1度の変革期と言われているが、日本カー・オブ・ザ・イヤーも時代に合わせて柔軟に対応していく必要があるかもしれない。一番怖いのは「まだカー・オブ・ザ・イヤーってやっていたのね」「カー・オブ・ザ・イヤーなんて意味ない」と言われることだろう。そうならないためにも、選考委員の1人として貢献していきたいと思う。

山本 シンヤ 自動車研究家

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やまもと しんや / Shinya Yamamoto

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車雑誌の世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の気持ちを“わかりやすく上手”に伝えることをモットーに「自動車研究家」を名乗って活動をしている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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