「サクラ/ekクロスEV」が並み居る強豪に勝った訳 日本カー・オブ・ザ・イヤー2022-2023選出の裏側
今年の最終選考会は2年ぶりのリアル開催となり、自動車メーカー担当者/実行員/選考委員が一堂に会して、独特な緊張感が漂う中で開票。スクリーンには各選考委員の配点表と10点を入れたモデルの選考理由を語る映像が流された。この模様はYouTubeでもライブ配信され、最大で4500人近い視聴があったそうだ。ちなみにCOTYのウェブサイトには文字での選考理由も掲載されている。
これは筆者の配点と10点を入れた選考理由である。
・トヨタ クラウン 10点
新たな高級車像を感じさせるエクステリア、どこかホッとさせるインテリア、心地よさを感じるデュアルブーストハイブリッド、AWDの駆動制御を活用した駆動方式の概念を変える走り……と言ったハード・ソフトの進化はもちろん、「このままではクラウンは終わる」という危機感から、真の意味での「革新と挑戦」を行ったパッションも含めて評価しました。世の中の反響の高さも考えると今年を最も象徴とする1台だと思っています。
・日産サクラ/三菱 eKクロス EV 6点
・ホンダ シビック e:HEV/シビックタイプR 4点
・ヒョンデIONIQ5 3点
・マツダCX-60 e-SKYACTIV D 3.3 2点
10ベストカーに選ばれた時点で精鋭
見ての通り結果とは違う評価だが、結果には異論はない。なぜなら、各々の評価基準で決めているため、意見が分かれて当然だろう。だから、選考委員は60人もいるのだ。筆者は良否判定機ではないので、単にハードの良し悪しだけでなくソフトも含め、買う人に気持ちになって総合的な評価を心がけている。
その要素は大きく3つで「目指したコンセプトがどこまで再現されているか?」「作り手の“魂”が強く感じられるか?」、そして「欠点を忘れるくらいの魅力があるのか?」である。
誤解なきように言っておくが、点が低い、もしくは点を入れていないクルマがダメではなく、そもそも10ベストカーに選ばれた時点で精鋭なのである。つまり、こう考えてほしい。10ベストカーに選出された時点でどのクルマも90点で、残りの10点をどう配点するかが最終選考会……というわけだ。
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