「ステーキ」や「からあげ」で老化が進む納得の理由 調理方法で「体内のコゲ」の増え方が変わる

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たとえば、香ばしいにおいが食欲をそそる焼き鳥のコゲや、炊き込みごはんのおこげ。こんがり焼けた食パンや焼きおにぎり、カステラの焼き面さえもAGEsを含んでいます。

でも、これらの食品を厳密に控えていくと、食の楽しみが失われてしまいます。毎日の食生活では、「揚げ物や炒め物ばかり食べない」「二度揚げはしない」「コゲを食べすぎない」ことを意識しておけばよいでしょう。

AGEsは、体の中のタンパク質が糖類と結びつき、そこに体温の熱が加わって「コゲる」ことで、体内でも生まれます。

糖質の摂りすぎで血糖値が高いまま放っておくと、体の中では、血糖と体を構成するさまざまなタンパク質が結びつき、AGEsが生み出されます。AGEsは血管内に沈着して動脈硬化を促進します。そうして血流が悪くなれば、AGEsは排出されず、体のあちこちに蓄積してしまいます。

この悪循環に陥らないためにも、「糖質を食べすぎない」ことが大事なのです。

AGEsの多いソーセージ、ハムも食べすぎ注意

医学的に「絶対に体に悪い」と、エビデンス的に決着がついている食べ物があります。ソーセージ、ハム、ベーコン、フランクフルト、スパムなどの加工肉です。

WHO(世界保健機関)の付属研究機関であるIARC(国際がん研究機関)は、発がん性について食品のランクをつけています。

2015年、加工肉はグループ1(人に対して発がん性がある)に分類されました。グループ1には、がんの原因になる「ピロリ菌」や「喫煙」など、明らかに有害である因子が含まれています。加工肉は、これらと同レベルに発がん性があるというのです。

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また、加工肉は突出してAGEsが高いのも特徴です。特に焼くとAGEsは急激に増えます。加工肉は生肉よりも保存される期間が長いため、調理する前からすでにAGEsが多い食品です。それをさらに焼いて調理すると、大幅にAGEsの量が増加してしまうのです。

加工肉ほどでないにしろ、牛や豚の「赤身肉」にも発がん性がある可能性が示唆されています。さまざまな研究結果により、「摂取量が1日65g増えるにつれ、子宮がん、肺がん、食道がん、大腸がん、糖尿病といった病気のリスクが高まる」と報告されています。

私も加工肉は好きですし、過剰に敏感になる必要はありません。しかしこれらの研究結果を考慮すると、やはり主食の中心は「魚」に移行していくことが、健康長寿のヒケツといえるでしょう。

伊賀瀬 道也 愛媛大学大学院 抗加齢医学(新田ゼラチン)講座教授、愛媛大学医学部附属病院 抗加齢・予防医療センター長

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いがせ みちや / Michiya Igase

1964年愛媛県生まれ。1991年、愛媛大学医学部卒業後に第二内科(循環器)に入局。その後、公立学校共済組合近畿中央病院循環器内科(研修医)、米国Wake Forest大学・高血圧血管病センター(リサーチフェロー)、愛媛大学大学院老年神経総合診療内科特任教授などを経て2019年4月より現職。2006年に国立大学では当時珍しかったアンチエイジングを研究する抗加齢センター(現・抗加齢・予防医療センター)を開設後、約4000人の患者さんに指導を続けており、抗加齢医学研究のトップランナーとして知られる。

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