このエピソードは、道長の和歌で終わっている。紫式部は和歌の後、何の言葉も足していない。そのため紫式部がどのような感想を持っていたのかはわからないのだ。このあたりの余韻の残し方も、小説家の日記として上手い……読者としては解釈の余地を残さずにいてほしかったところだが。
紫式部日記を読む限り、仲は深かった
まあ紫式部としては早朝のパトロンの戯言に「やれやれ、あの社長はいつもめんどくさいな」と思っていたかもしれない。
逆に、案外色っぽい展開を隠していたのかもしれない。隠していたからこそ感想を書かなかったという説もある。2024年の大河ドラマは後者解釈を採用するようだ。
ただ『紫式部日記』を読む限り、紫式部と藤原道長は早朝に花と和歌をやりとりするくらいには仲が深かったらしい。実は紫式部が道長をどう感じていたのか、解釈の考えがいはあるものである。
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