根津神社の授与品「月次花御札」を知ってますか 神札は「御朱印」の次なるブームとなるか?

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月参りとは、毎月1回もしくは2回、日にちを決めて特定の神社に参拝すること。

月参りには1日と15日の参拝が好ましいとされる。月のはじめの1日に参拝し、折り返し地点となる15日で、それまでの期間お守りいただいたことに感謝をささげ、残りの日数も健やかに過ごせるよう祈るのだ。

こうした月参りを啓蒙するという意味でも、月替わりの御朱印を授与しているところが増えたのではないだろうか。

御朱印には参拝した日付を記してもらえるため、後で見返した時にその時の自分に立ち返ることができる。つまり、月参りと御朱印はすごく相性がいいのだ。

しかし、そんな御朱印とは関係なく、現在筆者が毎月欠かさず通っている神社がある。

それが東京・文京区にある根津神社である。

根津神社の煌びやかな楼門。楼門とは、社寺にある、2階建ての1階部分に屋根を持たない門のこと(撮影:小堺丸子)

根津神社は日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が1900年近く前に創祀したと伝わっている歴史のある神社で、東京十社の一社にも数えられている。

授与品「月次花御札」「乙女稲荷の御札」

根津神社の授与品(お守りや御札など、神社でお分かちしているもののこと)、「月次花御札」とは、偶然に出合った。たまたま参拝した際に社務所で見かけて興味を引かれたのだ。

「月次花御札」は日本的な花の描かれた木札が御札そのものになっている。

10月「楓」の月次花御札。初穂料は一体500円(撮影:小堺丸子)

月次花御札の説明には、「お部屋に花を飾るように、皆様の目に付く場所にお飾りください。花御札は一年後も繰り返しお使いいただけます」とある。コンセプトも素敵だ。

神社は好きだが、御札を立てるのはちょっと仰々しいと感じていたので、それまで御札を立てる習慣がなかった。しかし、花を飾る感覚でお札を立てられるとなると心理的なハードルがぐーんと下がる。

根津神社の魅力的な授与品は月次花御札だけではない。

境内の乙女稲荷神社の御札も、今までに見たことがないデザインの授与品だった。

「乙女稲荷さま」初穂料は一体2000円(撮影:小堺丸子)

乙女稲荷の御札は開くと境内の乙女稲荷の千本鳥居が現れる、ポップアップ式の紙の神棚なのだ。

かわいいだけではなく、家庭でなかなか神棚を設置するのに踏み切れない方も日常に取り入れやすいデザインになっている。

花御札も乙女稲荷の御札も、いずれも筆者の知る「御札」の常識を覆すものだった。今まで500社ほど神社を参拝したが、このような授与品は見たことがない。

こちらを企画した根津神社とはどんな神社なのだろうか。

「月次花御札」「乙女稲荷の御札」の企画に携わった、根津神社・宮司である内海一紀さんに、これらの授与品が生まれた経緯について聞いた。

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