根津神社の授与品「月次花御札」を知ってますか 神札は「御朱印」の次なるブームとなるか?

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千本鳥居が目を引く「乙女稲荷社」(撮影:小堺丸子)

「私はもともと絵を見ることが好きで、絵を描かれる方とも交流があり、ご縁があってこちらからこういうものを作ってほしい、と『月次花御札』の作成をお願いしました。絵柄に関しては絵師の方と相談して作っていきました。たとえば4月は一般的には桜のイメージですが、根津神社にちなんでつつじになっています」

根津神社といえば文京区も後援している「文京つつじまつり」が有名だ。今年第51回を迎えた文京つつじまつりは例年4月~5月にかけて行われ、境内を鮮やかに彩るつつじを楽しみに多くの人が訪れる。それにちなみ、4月は桜ではなくつつじなのだ。

また、7月は七夕があるため一般的には竹のイメージだが、6月のモチーフが竹となっている。

これは、神社では6月と12月に大祓(おおはらい)という行事でしめ縄を張るときに竹を立てることに由来する。あくまでも“その神社らしさ”を大切にしているのだ。

「乙女稲荷の御札も同様で、こういうものを作られる作家の方と縁があり依頼をしたものです。神社の授与品はまず「ご利益」が先にくるけど、必ずしもそうではなく、『絵が面白い』とか、『この作家さんと一緒に作ったら面白いものができそう』、という私の判断で作りました」

新しい「月次花御札」や「乙女稲荷の御札」は、宮司さんの感覚やご縁を大事にした結果生まれた授与品だった。 

月次花御札は月ごとに季節にちなんだ札が用意されている(撮影:小堺丸子)

ご縁を大事にした結果生まれた授与品

日本人は生まれるとお宮参りをし、人生儀礼として七五三などの神事を行い、新しい年の節目には初詣……と、人生の節目には神社に参拝する。神社というのは、家族や地域との結びつきを強める場所であり、人と人とのご縁をつなぐ場所だと思う。

宮司さんがご縁を大事にした結果生まれた授与品にはファンも多く、SNSの普及した現代ではSNSに写真を上げることで新たな参拝客を呼ぶ、という循環も生まれている。

現代家庭では神棚を設置する人も減っているが、こんな御札だと飾りたくなる。月次花御札は、今の住宅事情にもぴったりな御札だと感じた。

筆者は根津神社の月参りをはじめてから、来るたびに変わる季節ごとに違う景色や、歴史や史実を知るたび、神社だけではなくどんどんその土地自体も好きになっていった。

月参りのきっかけは御朱印や授与品だったとしても、そこに来れば連綿と受け継がれてきた歴史がある。来るたびに発見がある。

神社を参拝する楽しさは、そういうところにあると思うのだ。

井口 エリ フリーライター

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いぐち えり / Eri Iguchi

1986年生まれ。横浜市出身。宝石鑑定士(GIA.G.G)の資格を持つサブカルフリーライター。神社好きが高じて神社の繁忙期に非常勤巫女をしていた経験も。現在は様々なWeb媒体で執筆するほか、神社の御朱印や授与品の企画にも携わっている。趣味は街歩きと神社参拝とゲームとインターネット。

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