速報!東大合格者数上位校の知られざる素顔 名門校ほど「ガリ勉」「スパルタ」ではない

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●聖光学院(7位)
 今年はついに、神奈川御三家では頭1つ抜きに出た

東日本大震災からたった3カ月後の2011年6月、工藤誠一校長の呼びかけに応じた生徒たち80人が岩手県宮古市に行き、ヘドロ除去のボランティアを行った。「リスクを恐れていたらできなかった決断。でも未曾有の事態に対し自分たちの知恵と力を試す経験は、生徒たちの成長にもつながると考えた」と工藤校長。

かつて「青白き秀才が集う」と言われた聖光学院は、今では被災地でたくましくヘドロを除去することもできる学校に進化している。進学実績は大事。しかしそれだけでは人間も学校も成長を続けられないということだろう。

生徒の自主性を重んじる教育で躍進

●渋谷教育学園幕張(8位)
創立からたった30年、すでに単なる新興進学校ではない

渋幕が掲げる教育目標であり建学の精神とも言えるものに「自調自考」がある。その成果の象徴が、高2の秋に全生徒が提出する「自調自考論文」である。高1でテーマを決定し、高2の夏休みで仕上げる。優秀作品は作品集にまとめられる。

「自調自考論文優秀作品集」を見て、渋幕がすでに単なる進学校ではないことを私は確信した。今後は国際化学オリンピックなどの国際的なコンテストで活躍する生徒も増えていくのではないかと私は予測する。

●海城(8位)
 1992年からの学校改革が実を結び、飛躍

海軍予備校の系譜ということもあり、かつては硬派でスパルタなイメージがあった。実際、1980年代までは生徒たちを追い立てるように勉強させ、大 学進学実績を保っていた。しかし東大で海城出身者の留年が目立つと指摘されたこともあり、そのやり方に保護者からも疑問の声が上がるようになった。

現在の海城に生徒を規律で縛ったり、尻をたたいて勉強をさせたりするムードはない。ピリッとした厳しさはそのままに、生徒にできるだけの自由を与え、生徒の自主性を重んじる教育が実践されている。いわゆる名門校に共通する「おおらかさ」が感じられるようになった。

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