速報!東大合格者数上位校の知られざる素顔 名門校ほど「ガリ勉」「スパルタ」ではない
●東京学芸大学附属(10位)
「辛夷(こぶし)エンジン」で結果を出す
学芸大附属高校には入口と出口の儀式があると林副校長は言う。入口とは、1年の1学期に行う4泊5日の林間学校だ。
出口は高校3年生の9月の「辛夷祭」。文化祭である。特に各クラス75分間にもおよぶクラス演劇が名物だ。受験を間際に控えているが、クラス全員がかかわる。そこには当然、葛藤もある。しかしこんな言葉もある。「辛夷を制する者は受験を制す」。辛夷祭に全力を注いだ者は、大学受験においても好成績を残すという言い伝えがあるのだ。辛夷祭を終えると、大学受験モードに突入。そこから一気に加速する力を「辛夷エンジン」と呼んでいる。
さらなる詳細は拙著『名門校とは何か? 人生を変える学舎の条件』を参照されたい。拙著にはこのほか、県立浦和、済々黌、修猷館、鶴丸、修道、女子学院、雙葉、神戸女学院、浦和一女、慶応、お茶の水女子大附属、武蔵、東大寺、栄光、ラ・サール、西大和、豊島岡、鷗友、堀川についても詳細なレポートを記した。
大学進学実績は名門校の価値のほんの一部
東大ランキングが注目される季節だからこそあえて訴えたい。
学校の価値を偏差値や進学実績で推し量る風潮はいまだ強い。そのような価値観に染まった大人は無意識のうちに、子どもを、偏差値や通う学校名で評価してしまっているかもしれない。
しかし、名門校と呼ばれるほどいい学校の本質的な価値が、決して偏差値や進学実績によるものではないと、ひとりでも多くの人に知ってもらえれば、その風潮を少しでも改められるのではないか。一人ひとりの子どもの可能性にもっと気付いてあげられる社会になるのではないか。子どもたちも、目先のテストの点数ばかりにとらわれなくなるのではないか。もっと自由な生き方を模索しやすくなるのではないか。そういう逆説的な願いこそを、拙著『名門校とは何か? 人生を変える学舎の条件』に込めたつもりである。
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