では、金利はそこまで上昇するだろうか?
QUICKが10月31日に発表した10月のQUICK月次調査<債券>によると、新発10年物国債利回りに関する市場関係者の見通しは、2023年4月時点で、平均0.282%だった。
0.28%であれば、まだ債務超過にはならない。しかし、そこから0.14%ポイント程度上昇すれば、債務超過になる。つまり、2023年4月の段階で、債務超過は差し迫った問題になる可能性が強い。
満期まで保有しても、日銀は債務超過になる
以上で述べたのは、評価損である。だから、国債を実際に売却しないかぎり、含み損にとどまる。日銀は、決算書で国債を簿価で計上しているので、直接的には問題は生じないように思える。
雨宮副総裁は、前記の答弁のなかで、保有資産の評価損や資産売却による損失が短期的に生じても「金融政策の遂行能力が損なわれることはない」とした。
しかし、日本銀行が国債を償還時まで持ち続けても、金利が上昇すれば、日銀に損失が発生して、日銀は債務超過に陥るのである。これについて以下に説明しよう。
中央銀行は、資産として国債を保有している。通常は、負債は銀行券であって、利子の支払いは必要ない。しかし、現在の日本では、負債として、当座預金が圧倒的に多い。2022年9月末では、銀行券が120兆円、当座預金が493兆円だ。
当座預金は、基礎残高・マクロ加算残高・政策金利残高という3つに区別され、次のような付利がなされている。基礎残高には0.1%、マクロ加算残高には0%、政策金利残高にはマイナス0.1%。
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