唐田えりか「25歳の今、私が思っていることは…」 「自分にとにかく向き合い続けた」2年間を経て

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── 今回の映画が本格的な復帰作ということで、ご自身としてはどんな気持ちで臨まれましたか?

唐田:これまでの約2年間は、所属事務所に通ってお手伝いをしながら、毎晩毎晩、社長とお話をして、自分のダメな部分や弱い部分を見つめ、自分というものにとにかく向き合い続けた日々でした。

その中で、ずっと支えてくださった社長やマネジャーさん、事務所のみなさんには本当に助けていただいたんです。自分は日々、みなさんのおかげで生かしてもらっているなと常々感じていたので、私はまず、お芝居を通してみなさんに恩返しをしていこうと思っていました。

── 苦しい思いもあったでしょうが、こうして撮影に入ることができて、やっとここまできたというか、いよいよ始めるんだというような思いもありましたか?

唐田:いえ、まだ、いよいよという気持ちにはなれてないですね。今はとにかく、与えていただいているものを、ひとつひとつ丁寧に、大事にやっていこうという気持ちです。

── 今回の里美役のオーディションに臨んだ時の心境はいかがでしたか?

唐田:オーディションを受ける前に、まずは竹馬(靖具)監督の全作品を拝見し、今回の脚本を読ませていただいたんです。竹馬さんの作品を観て思ったのは、演じている役者さんたちが、ただそこに存在している感じ、お芝居をしているとは思えない感じが、同じ役者としてすごくうらやましいなぁと感じました。自分も早く、その世界観の中に入りたいなと思いました。なので、オーディションにも、「絶対に受かりますように!」という気持ちで臨みました。

(写真:内田裕介(Ucci))

感情を優先しないで芝居をするようにと言われたのは初めてでした

── 映画は見事なまでの会話劇で、まるで二人芝居を見ているようですが、最初に脚本を読まれた時の印象は?

唐田:(やりとりの内容からして)難しいなとは思いました。ずっと話しているし、私も会話劇というものをそれほど多くは経験していないので、最初はできるかなぁという思いはあったんです。でも、準備期間に本読みを何度も重ねたことで、言葉がちゃんと体の中に入った状態でお芝居をすることができました。

本読みの時間は私にとってとても新鮮で、勉強の場でしたし、そういう環境を用意していただけたこともありがたかったです。

── 里美と智徳のやりとりは、リアルな会話というより、演劇的な言葉の応酬です。監督からはどのような指示があったのでしょう。

唐田:言葉の発し方に関して、竹馬監督が一貫しておっしゃっていたのは、「感情を優先しないで(話して)」ということで。セリフにニュアンスを込めず、感情を抜いて芝居をするように言われたのは私は初めてで、とても独特だなぁと思いました。

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