ディズニー、異例の大規模イベントが示す本気度 アジアで動画強化、講談社と新たな協業も

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韓国からは、日本映画界の鬼才・三池崇史監督と韓国の実力派俳優が組んだバイオレンス・スリラー『コネクト』や、3月にディズニープラスで配信され人気を得たドラマ『サウンドトラック ♯1』の続編、K-ポップを代表する世界的グループ・BTSのドキュメンタリーなど幅広い作品が紹介された。また、インドネシアからはスーパーヒーローものからドラマ、ホラーまで6作品、オーストラリアからは3作品が紹介された。

そして日本からは、サイコスリラーの『ガンニバル』をはじめさまざまな作品が紹介された中、とくに強調されたのはアニメだった。

手塚治虫の名作漫画『火の鳥』を『PHOENIX: EDEN17』としてアニメ化。そのほかバンダイナムコグループが手掛けるアニメ『SYNDUALITY』など、合わせて5作品を独占配信する。

新たな提携で講談社の「IP」を世界へ配信

さらに発表されたのが、講談社との戦略的協業だ。今後、同社の漫画を原作とするアニメ作品をディズニープラスで世界独占配信する。第1弾として、2023年1月から『東京リベンジャーズ 聖夜決戦編』の配信を始める。

これまでディズニーと講談社との関係は、ディズニーのIP(知的財産)を使った出版分野での協業が中心だった。今後はそれに加え、ディズニーが講談社のIPを使ったアニメ作品を世界に配信する。

両社が協業し、スピーディな制作を行うことで、「アニメをゲームチェンジする」(ウォルト・ディズニー・ジャパン幹部)。現在日本のアニメ業界では、数多くの作品が制作され、大ヒットする作品とそうでない作品に二極化する傾向にある。そうした中で両社が戦略的にタッグを組んで、世界市場に向けたヒット作を作れるか。今後の具体策が待たれる。

ディズニーがシンガポールで開いた大規模イベント
イベントの最後にはミッキーを囲んでAPAC各国からの登壇者が全員集合した(記者撮影)

ディズニープラスを2019年11月に始めて以降、ディズニーの動画配信の会員数は2億3500万人以上に拡大した。ただ、本国・アメリカでは会員数の伸びが鈍化しており、APACが今後の成長のカギを握っているといっても過言ではない。今回の大規模イベントの開催は、それを意識したものといえるだろう。ディズニーの動画配信に対する本気度を改めて示したといえそうだ

並木 厚憲 東洋経済 記者

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なみき あつのり / Atsunori Namiki

これまでに小売り・サービス、自動車、銀行などの業界を担当。テーマとして地方問題やインフラ老朽化問題に関心がある。『週刊東洋経済』編集部を経て、2016年10月よりニュース編集部編集長。

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