日本代表「ドーハの歓喜」強固なメンタル術の深み ドイツ戦に歴史的勝利後のコメントを読み解く

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

三笘薫選手も、さまざまなフレーズで満ち足りない心境を表現していました。

「(ドイツに逆転勝利したことについて)まあほとんど逆転したことはないですけど、ここで出るのは運もあると思いますし、でもチームとして我慢強く戦って何度かオフサイドもありましたし、(運が)ついてたんじゃないかなと思っています」と誰よりもクールな反応。自分たちの実力で勝ったのではなく運がよかっただけであり、「次はもっと実力を出して勝つ」というニュアンスを感じさせました。

また、「(コンディションは)まだ全然100(%)ではないですけど、チームの力になれましたし、しっかりコンディションを上げていきたいなと思っています」と余裕を感じさせるコメントも。ゴールについて聞かれたときも、「もちろん狙っていきますけど、チームとしての役割をしっかり考えて。今日は(ポジションが後方の)ウイングバックでしたし、チームのためにプレーすることが大事」とインタビューの質問をサラッとかわしました。

まるで「もっとすごいプレーを見せるつもりだから」と言っているようであり、三笘選手のようなピンチをもろともしない冷静な切り札のいるチームが強いのは当然でしょう。

大ベテラン長友のハイテンション

最後にピックアップしたいのは、誰よりもメンタルの強さを感じさせた2人。

遠藤航選手は、「個人的には『なぜこの4年間(ドイツの)ブンデス(リーガ)やってきたのか』を証明できたと思います」「正直『この試合に懸ける』というか、『最初のワールドカップの試合』というところもあるし、『対ドイツ』というところでも、あとのことを考えずにこの1戦、勝ち点3を取りたいと思っていた」とコメント。

古くから「ワールドカップほどのビッグイベントは、冷静なだけで勝つのは難しい」と言われ、だからこそ激しいプレーが飛び交うことで知られています。チームの中に遠藤選手のような「この1戦はどうしても勝つ」とはっきりこだわるメンバーがいることで、全員が自分のスタンスをあらためて考え直せますし、試合でも「あと一歩を前に出るか、我慢するか」などの判断に迷いがなくなるのではないでしょうか。

次ページ最年長36歳長友佑都のハイテンション&真顔
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事