日本代表「ドーハの歓喜」強固なメンタル術の深み ドイツ戦に歴史的勝利後のコメントを読み解く
三笘薫選手も、さまざまなフレーズで満ち足りない心境を表現していました。
「(ドイツに逆転勝利したことについて)まあほとんど逆転したことはないですけど、ここで出るのは運もあると思いますし、でもチームとして我慢強く戦って何度かオフサイドもありましたし、(運が)ついてたんじゃないかなと思っています」と誰よりもクールな反応。自分たちの実力で勝ったのではなく運がよかっただけであり、「次はもっと実力を出して勝つ」というニュアンスを感じさせました。
また、「(コンディションは)まだ全然100(%)ではないですけど、チームの力になれましたし、しっかりコンディションを上げていきたいなと思っています」と余裕を感じさせるコメントも。ゴールについて聞かれたときも、「もちろん狙っていきますけど、チームとしての役割をしっかり考えて。今日は(ポジションが後方の)ウイングバックでしたし、チームのためにプレーすることが大事」とインタビューの質問をサラッとかわしました。
まるで「もっとすごいプレーを見せるつもりだから」と言っているようであり、三笘選手のようなピンチをもろともしない冷静な切り札のいるチームが強いのは当然でしょう。
大ベテラン長友のハイテンション
最後にピックアップしたいのは、誰よりもメンタルの強さを感じさせた2人。
遠藤航選手は、「個人的には『なぜこの4年間(ドイツの)ブンデス(リーガ)やってきたのか』を証明できたと思います」「正直『この試合に懸ける』というか、『最初のワールドカップの試合』というところもあるし、『対ドイツ』というところでも、あとのことを考えずにこの1戦、勝ち点3を取りたいと思っていた」とコメント。
古くから「ワールドカップほどのビッグイベントは、冷静なだけで勝つのは難しい」と言われ、だからこそ激しいプレーが飛び交うことで知られています。チームの中に遠藤選手のような「この1戦はどうしても勝つ」とはっきりこだわるメンバーがいることで、全員が自分のスタンスをあらためて考え直せますし、試合でも「あと一歩を前に出るか、我慢するか」などの判断に迷いがなくなるのではないでしょうか。
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