日本代表「ドーハの歓喜」強固なメンタル術の深み ドイツ戦に歴史的勝利後のコメントを読み解く
「(ベンチが投入した選手の活躍について聞かれ)『チームの総合力で、そして総力戦で戦おう』ということ。スタートで出た選手ではなくて、途中から出た選手が試合を決める。試合を締める等々、その流れで自分たちのよさを発揮する。チームを勝たせるということを選手たちがやってくれたと思います」
「総合力」「総力戦」と語った通り、森保監督はオフェンシブな選手を次々に投入。これを見てネット上に、「これではディフェンスが危ないのでは?」「さすがにまだ早すぎるのでは?」「もし負傷者が出たらどうするの?」などと不安の声をあげる人も少なくありませんでした。
しかし、森保監督は1993年10月の「ワールドカップアメリカ大会」アジア最終予選・最終戦のロスタイムで失点して出場権を逃した「ドーハの悲劇」の当事者。「当時は気持ちが守りに入っていたことを後悔している」と何度も明かしていただけに、「総合力」「総力戦」を掲げ、率先して見せたアグレッシブな姿勢が選手たちに乗り移った感がありました。
好影響しか与えない堂安律の言葉
次に挙げたいのは、途中出場で値千金の同点ゴールを決めた堂安律選手のコメント。
「『俺が決める』っていう気持ちで入りましたし、『俺しかいない』と思ったので、そういう強い気持ちで(ピッチに)入りました。これに一喜一憂せず、強い気持ちを持ってまた一丸となって戦いたいですし、まあ『僕が日本サッカーを盛り上げる』って気持ちでピッチに立っているので、みなさんぜひ期待してほしいと思います」
「もし失敗したら……」というリスクをスルーした、まさにカリスマを思わせるコメントですが、このようなフレーズは仲間たちに「お前が言うなら自分も」とポジティブな影響を広げられる効果が期待できます。もちろんそれは堂安選手の努力あってのものですが、「現在の社会には有言実行型の人が少なくなった」と言われるだけにその存在は貴重。今後も「(目標と言われている)ベスト8ではなく優勝を目指す」と言い切る堂安選手は人々の注目を集めるでしょう。
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