W杯サッカー初の女性審判「山下良美」が開いた道 「もともと審判になる選択肢は頭になかった」
また、男子の試合に女性審判がついていけるのか? という疑問を持つ人もいるかもしれない。しかし、山下さんによれば「やることは一緒で、大きな差はない」という。
いざW杯カタール大会へ
22年11月開幕のW杯カタール大会には、日本人唯一、そして大会初の女性主審の一人として参加する。その一報が届いた時は、「正直に言うと驚いた」と本音をこぼす。
本番ではサッカーの魅力を最大限に引き出せるようなレフェリングをして、皆さんに楽しんでいただけたらと思っています。
そのための体力づくり、語学学習も日々欠かさない。
「以前は、ヨーロッパ最高峰のUEFAチャンピオンズリーグで活躍する女性審判員の姿を、どこか他人事のように『すごいな~』なんて思いながら見ていた」と山下さん。
しかし、目の前の仕事に夢中で取り組んでいるうちに、いつの間にか彼女たちが活躍する場所に近づいていた。
プレッシャーは少しはありますが、日本でも海外でも、審判としてやるべきことは変わらないので大丈夫。
引き続き、後輩たちの「新しい道」を切り開く人になれたらうれしいです。そのためにも、とにかく一試合一試合、全力を尽くすこと。私にできるのは、目の前の仕事にコツコツと夢中で向き合っていくことですね。
1986年東京都生まれ。2012年に女子1級審判員の資格取得。2015年、FIFAの国際審判員に登録。全国高等学校サッカー選手権大会、AFCカップ、2019年には女性ワールドカップ、2021年には東京オリンピックの審判を経験。そして同じ年に、Jリーグ史上初の女性主審をつとめ、2022年7月に女性審判としては初のプロフェッショナル契約を結んだ
取材・文/モリエミサキ 撮影/柴田捺美(編集部)
編集/栗原千明(編集部)
Woman typeの関連記事
●夏生さえり「キャリア選択は全て、楽しいか・楽しくないかで考える」28歳の葛藤から学んだブレない自分軸
●川上洋平が明かす[Alexandros]を躍進させた三つの改革「自信なんてない。だから、自信が持てるまで努力した」
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら