「子どものウソ」に悩む親に伝えたい意外な真実 嘘や汚い言葉は泥棒の始まりではなく成長の証

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私たちはうそや汚い言葉を最低最悪なものと考えがちですが、これらは子どもの脳が正常に発達している証拠でもあります。というのも、汚い言葉を使うには、まず新しい言葉を覚え、どんな場面で使うかを理解する必要があるからです。

子どものうそは「泥棒の始まり」ではなく、重要な心理的スキルの発達を表す指標です。そのスキルの1つが〈心の理論〉(他人は自分と異なる考えや感情を持っていると認知する力)です。

うそをつくには、例えば“自分”は花びんを割ったのを知っているけれど、“親”は知らない(少なくともその時点では)と認識する必要があります。うそをつく能力は、〈心の理論〉の成熟を表す代表的なスキルと考えられています。

また、うそをつくには〈実行機能〉も必要です。これは作業記憶・抑制制御・計画力などを含む複雑なスキルです。真実を隠し、架空の設定を練り上げ、親に伝え、質問されたらつじつまが合うように答える必要があります。そう考えると、うそをつくというのは、なかなか大した行為です!

子どものうそには3つの段階

専門家によると、子どものうそには3つの段階があるそうです。

うその第1段階:2~3歳で始まり、事実と異なることをわざと言うようになります。それほどしょっちゅうではありません。
うその第2段階:3~4歳で始まり、自分を守るためのうそをしょっちゅうつくようになります。
うその第3段階:7~8歳以降では、質問にもっともらしく答え、恐ろしいほど巧妙なうそをつくようになります。第3段階のうそには〈心の理論〉だけでなく、記憶力や自己制御スキルも必要です(親にばれるのを心配しながらも、平静を装わなければならない)。

このように、子どものうそは認知能力の発達の表れなのですが、反対に、認知能力が未熟だからこそうそをつくこともあります。子どもは感情的で衝動的(実行機能の1つである抑制制御が未熟)なために、ダメと言われている行為(フォークで太鼓を打つまねをする、きょうだいをたたくなど)をします。

そして、罰を受けないように過ちを隠し、うそをつきます。つまり、親に逆らわずにはいられないけれど、罰を受けたくないのでうそをつくわけです。その気持ちは理解できますよね。

また、ご存じのとおり、うそには種類があります。研究によると、種類によって発達の仕方が少し異なるそうです。

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