ちなみにこうしたガイドがあるのはむしろ親切なくらいで、このくらいのことは言われなくても自主的にやるのがアメリカでは転職してくる側のたしなみ、といった雰囲気すらあります。
このDay 30、60、90のように転職者に比較的短期に結果を求める文化は、やはり即戦力として入社してもらっている、という期待があります。特に管理職やリーダーのポジションであれば、その転職者が社外で培ってきた能力に期待しているので、ある程度その人のやり方にまずは任せてみます。目標だけ設定し、人も予算も与えないのはフェアではないので、全部の権限を与えて任せてみる、という考え方ですね。
上司が変わると部下たちがとまどうことも
この結果外部から来たリーダーはその期待に応えるべく今までのやり方を否定して、ガラリと仕事のやり方を変えてしまうことがしばしばです。まさに「Everything but the kitchen sink」です。
しかし、これはしばしば部下たちを大いに混乱させます。特に日本ではこの「Everything but the kitchen sink」流のやり方は通用しないように思います。日本でNECパーソナルコンピュータの社長になったときも、なるべく既存のやり方を尊重することを心がけました。
日本企業のいい点でもあり、しばしば課題とも指摘される点ですが、日本では仕事のノウハウが個人でなく集団的に共有される傾向にあると思います。これは生産性の高い集団を作れる一方で、仕事のやり方を変えると大きなインパクトがでてしまうのです。
もしも「Everything but the kitchen sink」をせざるを得ないような大きな事業転換に直面したとき、日本的組織のリーダーはどう決断するのか。ツイッターの買収劇はそんな目でみても参考になるかもしれません。
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