平均利用時間96分!「TikTok」が広告王になる日 拡大する試聴時間シェア、「売れる広告」で独走

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「メディア企業の幹部の間で反ティックトック感情が高まり、利用禁止を求める声が政府高官から再び持ち上がるようになってきたことから、一部の広告主は一段と慎重になっている」と、インサイダー・インテリジェンスの主席アナリスト、ジャスミン・エンバーグは指摘する。

偽アカウントで「盛られる」トラフィック

さらに広告料金が水増しされていると懸念する広告主も存在する。偽アカウントはマーケティング効果を混乱させる要因となるが、そうした懸念は今年夏、イーロン・マスクがツイッターを買収する過程で増幅した。

ツイッターは偽アカウントについて正しい情報を出さない、とマスクが繰り返し非難したためだ。広告詐欺防止と個人情報保護に取り組むソフトウエア企業のピクサレートによると、ティックトックの9月のトラフィックの7%が無効なものだった。

チポトレ・メキシカン・グリルは2019年、ハロウィンに向けてブリトーを宣伝するティックトック広告キャンペーンを実施。関連ハッシュタグ「#boorito」は2020年2月までに39億回の閲覧数を集めた。それでも、チポトレはティックトックからの情報だけでキャンペーンの成果を判断しているわけではないと、最高マーケティング責任者のクリス・ブラントは話す。

「確かにティックトックは驚くべき数字をたたき出すこともあるが、私たちは話半分に受け取るようにしている」とブラントは言う。

(執筆:Kalley Huang記者、Isabella Simonetti記者、Tiffany Hsu記者)
(C)2022 The New York Times

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