平均利用時間96分!「TikTok」が広告王になる日 拡大する試聴時間シェア、「売れる広告」で独走
スナップは最近、ティックトックを「非常に大きく、極めて洗練された競争相手」の1つと呼んだ。先月、少なくとも3年ぶりに広告収入が減少に転じたユーチューブはここに来て、ティックトックに対抗する短編動画サービス「ショート」で広告の表示を開始。メタのCEO(最高経営責任者)マーク・ザッカーバーグは今年2月に行われた決算説明会の中で、少なくとも5回、ライバルとしてティックトックの名前を挙げた。
広告主の多くは、ティックトックのオーナーが中国企業である点や、コンテンツ品質をめぐる問題、ボット(自動プログラム)によるトラフィックの水増しなどに懸念を抱いているが、それでもティックトックに群がり続けている。10億人を超える利用者がいるとされるティックトックは、とくに若年層に対して高いリーチと文化的な影響力を持っているとみられているためだ。
利用者は1日平均96分滞在
データ分析会社センサータワーによると、ティックトックの利用者は1日平均96分をこのアプリに費やしている。スナップチャットのおよそ5倍、ツイッターの3倍、フェイスブックやインスタグラムのほぼ2倍だ。
「ティックトックは世界を侵食している。エンターテインメントの世界で重要なのは、費やされる時間だけだ」と、ライトシェッド・パートナーズのテクノロジーアナリスト、リッチ・グリーンフィールドは言う。「ティックトックにシェアを奪われたせいで費やされる時間が減れば(その会社の)広告ビジネスはネガティブな影響を受ける」。
本記事の執筆にあたり、ティックトック幹部への取材を申し込んだが、断られた。同社は「エンターテインメントと広告の未来のために事業を構築している」と述べている。
ティックトックは広告収入を増やすため、慣例破りの手法をいくつか用いてきた。まず、ほかのソーシャルメディアプラットフォームとは異なり、ティックトックの広告は通常のフルスクリーン動画と同じように画面に表示される。そのため、それが広告であるとはすぐに分からないことがある。