主観的な感情である「孤独」と、他者とのつながりが乏しい客観的な状態を示す「孤立」は概念が異なるが、その原因は重なることも多い。それらが避けようのないリスクである限り、結婚の有無は孤独の根本的な原因ではない。
孤独の真因は、トラブルが起こったとき、家族以外に頼れる存在がいないという点にある。
家族以外に頼れない日本
60歳以上が対象のデータではあるが、国際比較で日本は家族以外に頼れる人が少ない。内閣府の調査によると、日本、アメリカ、ドイツ、スウェーデンの4カ国のうち、同居家族以外に頼れる人として友人や近所の人を挙げた割合は日本が最も低かった。
行政の福祉サービスや病院・介護施設はあるが、家族が申請の手続きや身元保証をしなければ利用が難しいのが現状だ。単身世帯が増え続ける中、家族以外の人に頼ることが難しい社会では孤独・孤立に陥る人が増える一方だ。
これまで家族に頼っていた役割を誰が担うのか。その難題が突きつけられている。
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