「世界から"色"が消えている」衝撃事実の驚きの訳 「自動車、家具、企業のロゴ…」背景に何がある?

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家やカーペットや家具、ファストフードの店頭などの色も「白」や「グレー」などが中心になってきています。

その要因のひとつが素材の変化です。かつての木材、布といったものから、「落ち着いた色」のプラスチックや金属が増えていることが挙げられます。

また、たとえば、家などを考えた時、将来売却を想定すると、「自分好みのカラフルな色使いのもの」や「個性的なもの」よりも、「汎用性の高いニュートラルな色調」のほうが売りやすいという要因もあるようです。

消費者の嗜好も多様化する中、10人が「素晴らしい」と思うより、1000人が「いい」というデザインや色のほうがリスクは少なくなるからです。

昨今は何を売るにも市場調査が行われますが、そうした調査のうえで、「最も幅広く受けるものを選ぶ傾向」はますます強くなっているといえるでしょう。

「企業ロゴ」も似たものが増えている

華やかさを削いだ、シンプルでミニマムなデザインは、企業ロゴの世界にも広がっています

ロゴのデザインを大幅に変えた高級ファッションブランドが少なくないのですが、結果的に多くのロゴが非常に似通ったものになってしまったことが話題になりました。

たとえば、イヴ・サンローラン。流麗な斜め細字のロゴが太字文字のものへ、バーバリーバレンシアガも細字から太字に変わりました。

すべてシンプルな大文字で黒字色が強くなり、結果的にどれも非常に似通って見えます。つまり、個性がなくなっているのです。

この傾向は2017~2018年頃に増加したと言われます。多くの有名ファッション企業が、これまでの「個性的でクラシカルなロゴ」を捨て、当たり障りのない、非常によく似た「サンセリフフォント」に切り替えました。

「サンセリフ」とは、ハネや飾りのようなもののないシンプルな角ばった字体です。非常に視認性が高く、読みやすいという特徴があるため、小さなモバイル上でもよく見えるというメリットがあります。

日本のフォントでいえば、「明朝体」が「ゴシック」へと変化したようなイメージでしょうか。

こうした「ロゴデザインの変化」はテック企業でも相次いでおり、グーグル、マイクロソフト、エアビーアンドビー、フェイスブック、スポティファイなどが次々と「個性的な文字」から「似たようなシンプルな文字」に変更しています。

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