「世界から"色"が消えている」衝撃事実の驚きの訳 「自動車、家具、企業のロゴ…」背景に何がある?

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日本の企業でも、たとえば、バンダイナムコが、今年4月、赤と黄色の背景色をなくし、吹き出しにシンプルな文字だけのロゴに変更しました。日産も2020年にシンプルなデザインへと変更。「『立体感のあるデザイン』から『平面的なデザイン』へ」というのもトレンドになっています。

ロゴの色も、たとえば、昔のアップルのロゴはカラフルな虹色のリンゴでしたが、今はシンプルなシルバーですよね。インスタグラムも、かつてはカメラの絵でしたが、赤みのある単色系のデザインに変わりました。

「情報」を絞り込むほど「メインのメッセージ」は届く

こうした傾向の裏にあるのは、情報過多の時代に、より多くの人の目に留まるように「装飾性」より「視認性」を重視する傾向です。

コミュニケーションも同様で、「情報」を絞り込めば絞り込むほど、「メインのメッセージ」は届きやすくなります

というわけで、私の『世界最高の話し方』『世界最高の雑談力』も、表紙のデザインを一新して、一部書店で売り出しました

前のデザインは青地にイラストやカラフルなデザイン、かなり多めの文字量でしたが、新しいものは、白地に金もしくは赤、そして、タイトルと著者名だけという究極的にシンプルなデザインです(外部配信先では画像を閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)。

左が発売時のカバー、右が新カバー。「カラフル+文字多め」から「情報と色」を絞り込み「メインメッセージ」が届くデザインに変化させている。出版界でも「白いカバー」が増えている。
同じく左が発売時、右が新カバー。「色」や「文字量」だけでなく、「書体」も「視認性が高く、読みやすいもの」が好まれ、「イヴ・サンローラン」や「バーバリ」など世界の高級ブランドのロゴも、同じく「似たようなシンプルな文字」に変化している。

以前のカバーの上に、カバー全体を覆うような新しい帯をもう1枚つけた格好ですが、カラフルとシンプル、どちらが目に留まりやすいのか

ぜひ、皆さんにもお手にとっていただき、感想をお聞かせいただけましたら幸いです。

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岡本 純子 コミュニケーション戦略研究家・コミュ力伝道師

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おかもと じゅんこ / Junko Okamoto

「伝説の家庭教師」と呼ばれるエグゼクティブ・スピーチコーチ&コミュニケーション・ストラテジスト。株式会社グローコム代表取締役社長。早稲田大学政経学部卒業。英ケンブリッジ大学国際関係学修士。米MIT比較メディア学元客員研究員。日本を代表する大企業や外資系のリーダー、官僚・政治家など、「トップエリートを対象としたプレゼン・スピーチ等のプライベートコーチング」に携わる。その「劇的な話し方の改善ぶり」と実績から「伝説の家庭教師」と呼ばれる。2022年、次世代リーダーのコミュ力養成を目的とした「世界最高の話し方の学校」を開校。その飛躍的な効果が話題を呼び、早くも「行列のできる学校」となっている。

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