「最近の若者は内向き志向」という意見には根拠がありません。内向きどころか、外向き志向が強まっているのです。こうした状況で「1年間海外留学しました」と言ってもそれだけでは企業の人事部は何とも思いません。
就活時に留学をアピールしたいのならば、何故留学したのか、何を勉強して、どんな成果があったのか明確に言えなければなりません。そして、自分の専攻や自分の将来と留学がどうつながるのか説明する必要があります。
企業が求める即戦力とは何か
Q2:「企業は即戦力を求めている」と聞きます。どの程度のことができれば即戦力なのですか。
「企業は優秀な即戦力となる学生を採用したがっている」とは、よく聞く話しです。景気が回復したとはいえ、企業間の競争が厳しいため、新人をじっくり育てる時間も余裕もない、というのがその理由です。
しかし、入社していきなりベテラン社員と同じ仕事をこなすことのできる学生など存在するのでしょうか?スポーツの世界とビジネスの世界では事情が大きく違います。
たとえば、金融機関に入社してすぐに金融商品の開発ができるでしょうか?総合商社に入社して、いきなり新興国でビジネスを立ち上げることができるでしょうか?無理に決まっています。
企業は「即戦力を求めている」と言いますが、企業の考える「即戦力」と学生の考える「即戦力」は異なるのです。企業の求める即戦力とは、専門知識や働き方を身につける素地のある人材のことです。もっと具体的にいうと、入社してすぐに先輩社員や上司が取引先や関係先に安心して連れて行くことできる人材です。
取引先を訪問し、上司が取引先と商談をしているときに、新入社員にはわからない話しがたくさん出てきます。わからないことがあるのは当たり前です。商談内容が全部わかることイコール即戦力ではありません。商談の内容を聞いて、理解できることと理解できないことを整理し、疑問点解消のために動くことが出来る人が即戦力です。
最低限の礼儀やマナーをわきまえていることのも即戦力の条件となります。入社前から名刺の受け渡しマナーや礼状の書き方などを知っていることまでは求められません。しかし、大きな声でハキハキあいさつをする、敬語を使って話すということは求められているのです。礼儀がしっかりしていれば、上司は安心して新入社員を取引先に連れて行くことができます。
また、社会人として自己管理ができるというのも即戦力の条件です。社会人になると学生の時のように自分の都合で休むということはできません。また、語学や業務用の専門知識を得るために勉強することも必要です。健康でなければいい仕事はできません。食生活、睡眠時間、運動などに気を遣うことができるのが、即戦力の条件です。
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