マーケティングの暴走憂う「神様」が説く最新理論 フィリップ・コトラーが提唱「人間中心」とは?

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フィリップ・コトラー氏が提唱する最新のマーケティング理論を解説します(写真:taa/PIXTA)
「マーケティングの神様」「近代マーケティングの父」とも称される世界的な経営学者、フィリップ・コトラー氏。そのコトラー氏は今、「H2H(ヒューマン・トゥ・ヒューマン)マーケティング」、すなわち人間を中核に据えた、人間主体のマーケティングを提唱しています。それはなぜなのか。また「H2Hマーケティング」とはどういうものなのか。
コトラー氏らの著書『コトラーのH2Hマーケティング 「人間中心マーケティング」の理論と実践』の監修・解説を担当した立命館大学ビジネススクールの鳥山正博教授が解説します(全3回)。

H2Hマーケティングとは徹頭徹尾人間を主体とするマーケティングパラダイムであり、この時代にあってコトラーが他大学の2教授であるファルチ、シュポンホルツとともに世に問うたマーケティング体系である。

その背景には、デジタル化が進み、マーケターとして何が見えて何がコントローラブルかが大きく変化し、格差がいよいよ拡大し、地球環境問題が消費者の意識にのぼり、企業の行き過ぎたマーケティングへの反発が広がりつつある「現代」という時代がある。

マーケティングを現代に合った形で問い直す

コトラーは1960年代以来、半世紀以上にもわたってマーケティング界をリードし、「マーケティング」を体系化し、範囲を広げ、普及させてきたという自負がある中で、企業の売らんかなの姿勢や行き過ぎた非倫理的なマーケティング手法を指して「それってマーケティングでしょ」と言われることに、ひそかに傷ついてきたのではないかと思われる。

マーケティングとはそんなゲスなものではない、マーケティングは過小評価されている、その真価を現代に合った形で世に問い直さねば――と思っていたところにファルチ、シュポンホルツとの出会いがあり、一気にH2Hという概念が形を成してきたというのが筆者の見立てである。

H2Hマーケティングの骨格は「S-DL(サービス-ドミナント・ロジック)」と「デザイン思考」と「デジタライゼーション」を3本柱とし、「H2Hマインドセット」と「H2Hマネジメント」と「H2Hプロセス」という3層構造をなす。第1回は、この枠組みを紹介する。

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