パウエル議長、4回連続の大幅利上げ決定見通し 利上げペースを落とす可能性に道を開くか

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パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長率いる金融当局は1、2日両日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で、4会合連続となる0.75ポイントの大幅利上げを決める見通しだ。

パウエル議長はインフレ抑制に向けた断固たるメッセージを繰り返すと見込まれる一方、必ずしも緩和姿勢にはまだ転換することなく、利上げペースを落とす可能性に道を開く可能性がある。

米金融当局は1980年代以来最も積極的な引き締めを進めており、今会合での利上げ幅が予想通り0.75ポイントとなれば、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジは3.75-4%と、2008年以来の高水準となる。

米東部時間2日午後2時(日本時間3日午前3時)にFOMC声明が公表され、パウエル議長が2時半から記者会見する。経済予測の発表はない。議長は金融当局としてインフレ退治への確固たる姿勢に揺るぎがないことを強調すると同時に、12月13、14両日の会合に選択肢を残す可能性がある。市場では12月会合での利上げ幅を巡り、0.75ポイントのペース維持と0.5ポイントへのシフトで予想が分かれている。

  

7月会合後の記者会見の際、パウエル議長発言について近いうちの政策転換を示唆すると投資家が誤解し、米株価などが上昇。金融状況の緩和につながり、金融当局の物価抑制には逆風となった。このため議長は、12月以降の会合での引き上げペース減速の可能性を示唆するとしても、同様のミスは避けたい考えと想定される。

マクロポリシー・パースペクティブズの創業者、ジュリア・コロナド氏は米金融当局の引き締めペースについて、「単に金融安定のため減速を望むかもしれない」とした上で、「金融状況の大幅な緩和は好ましくないため、どのようなメッセージを発するかは難しい課題だ。景気の持続的鈍化にはタイトな金融状況が必要であり、議長は利上げペース減速を望むとしても、ハト派と受け止められることは避けたいだろう」と話した。

40年ぶりの高水準で推移しているインフレへの対応が遅れたとして、批判を浴びているパウエル議長をはじめとする金融当局はその抑制に努めているが、積極的な利上げがリセッション(景気後退)を引き起こしかねないと投資家は懸念し、金融市場は混乱に見舞われている。

ブルームバーグ・エコノミクスの米国担当チーフエコノミスト、アナ・ウォン氏らは「連邦準備制度は4会合連続の0.75ポイント利上げに踏み切ると広く予想されている」としつつも、利上げペースの将来的な減速などを「パウエル議長がどう意思伝達するかはそれほど明確でない」とみる。

その上で、「議長は0.5ポイント引き上げを先行きの基本ケースとして提示するとともに、利上げペースの減速は必ずしも低めのターミナルレート(利上げの最終到達点)を意味するわけではない点を明確化すると見込まれる」と分析した。

4回連続の大幅利上げが予想されている今回のFOMC会合は、8日の中間選挙を目前に控えた開催。共和党は高インフレを選挙戦の最大の争点とし、バイデン大統領および議会民主党に対する攻撃材料としている。先週には民主党上院議員2人がそれぞれパウエル議長に書簡を送り、過度の利上げで無用な痛みを招くことがないよう注文した。

  

原題:Fed to Hike Big Again and Open Door to Downshift: Decision Guide(抜粋)

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著者:Steve Matthews

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