「国民の命を守らない」韓国政府に迫る大ピンチ ソウル雑踏事故巡る責任問題が尹政権に飛び火
10月29日夜、307人の死傷者(死者156人、けが人151人)が出る大惨事が梨泰院(イテウォン)で発生した(11月1日現在)。2014年、死者・行方不明者304人(死者299人、行方不明5人)を出した大型旅客船セウォル号事故を思い出させる惨事となっている。
韓国社会は大きな衝撃をうけ、深い悲しみに包まれている。政治を含め社会全体が哀悼の期間として事故に対する責任を問うことを自制する中、政府・自治体のずさんな対応が明らかになり、批判の声が高まっている。尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は、事故責任を問う国民の声にどう応えていくのか。韓国では、大惨事が時の政権基盤を揺るがしてきた例があり、その対応に注目が集まっている。
2011年ごろから「ハロウィン」が盛り上がるように
事故が起きた梨泰院はソウル市のほぼ中心に位置し、韓国で初めて「観光特区」に指定された韓国を代表する繁華街の1つ。周辺にはかつてアメリカ軍基地が駐屯し、アメリカ軍相手の店が多い「米軍の街」であった。
1990年代に入ると街の雰囲気が変わり、アメリカ軍基地がほぼ他の地域に移転した今は、2万人以上の外国人が居住している「多文化・多国籍」地域として知られている。世界各国の人が経営する飲食店など、約2000の店が軒を並べ「世界の文化」を味わえる地域として若者に人気が高い。
梨泰院はまた、韓国におけるハロウィン文化の発祥地と言われている。梨泰院に住む外国人によるハロウィンが梨泰院周辺に広がり、2011年頃からは、毎年、約10万人が集まるイベントが開かれ、盛り上がりを見せている。今年のハロウィンには、警察や自治体は、例年を超える13万人がイベントに参加すると予想していた。
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