「国民の命を守らない」韓国政府に迫る大ピンチ ソウル雑踏事故巡る責任問題が尹政権に飛び火

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先月27日、事故が起きた梨泰院を管轄する龍山警察署は「コロナの規制が緩和されてから、初めて迎えるハロウィンイベントであり、今年はかつてない規模になると思われる」という見解を示し、参加者が急増することを予言していた。警察はハロウィンに備え当初200人を現場に派遣する予定だったが、実際派遣したのは137人。参加者数13万人対し、警察137人である。

しかも、この警察の半数は、現場の安全管理が目的ではなく、麻薬事件や性犯罪に備えるのが目的だった。さらに、梨泰院を管轄する自治体である龍山区も安全管理や交通管理を担当する要員を配置していなかったことが明らかに。事実上、現場に安全管理を担う要員は誰1人いなかったことになる。

なぜ、行政は大勢が訪れると予想しながら、このような対応となったのか。その背景には政府が作成した「イベント安全管理マニュアル」がある。

責任逃れの道具になった「安全管理マニュアル」

韓国政府は、昨年、災害安全法を基に「地域イベントの安全管理マニュアル」を発表した。これは、「瞬間最大参加人数」が1000人を超えることが予想されるイベントの場合、主催者はイベント開催日の30日前まで安全管理計画を自治体に提出することを義務付け、自治体は提出された計画を審議・検討するものだ。

イベント開催時は、主催者や自治体は安全要員を配置し、警察は安全管理計画に従いイベントが開催される場所の周辺を管理することとなる。官民が共同で安全管理に努めることを勧告しているのである。このマニュアル通りなら、13万人が集まった29日の梨泰院には安全要員が配置され、警察は周辺をパトロールする体制が敷かれたはずだった。

しかし行政は、このマニュアルを梨泰院には適用しなかった。政府や警察、自治体は、一貫して梨泰院のハロウィンには明確な主催者がなく、マニュアルが規定する地域イベントではないと判断している。すなわち、政府や警察、自治体は梨泰院ハロウィンに対する管理責任がないと解釈し、安全対策を講じていなかったのである。

しかし、このような政府・行政の釈明には説得力がない。昨年には、警察機動隊が投入され、2017年には警察が参加者の移動を誘導するためのポリスラインを設置していたからだ。

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