芸人が営業や企画も「笑い×企業」が生む化学反応 漫才等を織り交ぜた、ビジネスプレゼンも披露

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一方で課題になるのは、今回得たことを一過性にせずに、どう継続していくか、どう次へつなげていくかだろう。

坂根氏は「今回はチャンスをいただいたと思っています。2人に力強く支援していただき、ふつうの経路ではなかなかたどり着けなかった場所へ一気にジャンプアップすることができました。スタートアップはどんどん成長していかないといけない。教わったことを土台にしながら、われわれなりにブラッシュアップしていき、いつかこんなに大きな会社になりましたと2人に恩返しをしたい」と意気込む。

芸人側にとっても、今大会は大きな刺激となったようだ。優勝したミサイルマンは、右も左もわからない業界に飛び込んだ当初は、社員との会話から自分たちができること、求められていることを手探りで理解していったという。

「僕ら芸人がふつうにやっているトークや人との絡みがためになると言われて、最初はギャップに戸惑いましたけど、人を楽しませるためにやってきたこと、知っていることを伝えていきました」

芸人として当たり前のスキルが違う業界では宝のように扱われることが新しい発見になったようだ。

会社員と芸人、二足の草鞋

いまや芸人たちの多くがYouTubeやオンラインサロンなどSNSやネットメディアを活動の場の1つとし、副業的な収益源を持つ時代。そんななか今回のプロジェクトは、セカンドキャリアではなく、現役の芸人が会社員となり、ビジネスマン芸人として二足の草鞋を履いて活躍できる可能性をも示した。

「ビジネスシーンに芸人スキルの需要があり、いろいろな業界で活動する道もあるという自信になりました。コロナで仕事が不安定な時期もあったので、ひとつの金脈として気づかされた面はあります。ただ、今回の試みがうまくいったので、吉本興業が会社としてどんどんやっていこうとするんじゃないですかね。怖さと期待があります(笑)」(ミサイルマン)

吉本興業にとってもスタートアップとの初めての試みとなった今回のプロジェクトだが、坂根氏は「0から1を生み出すスタートアップと吉本興業に通ずる文化は、まずやってみようという精神。それが社員を変えて、一定の成果を生み出すことにもつながった」と話す。吉本興業では今回の結果を受けて、次なるスタートアップとのコラボプロジェクトを前向きに検討している。

武井 保之 ライター

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たけい・やすゆき / Takei Yasuyuki

日本およびハリウッドの映画シーン、動画配信サービスの動向など映像メディアとコンテンツのトレンドを主に執筆。エンタテインメントビジネスのほか、映画、テレビドラマ、バラエティ、お笑い、音楽などに関するスタッフ、演者への取材・執筆も行う。韓国ドラマ・映画・K-POPなど韓国コンテンツにも注目している。音楽ビジネス週刊誌、芸能ニュースWEBメディア、米映画専門紙日本版WEBメディア、通信ネットワーク系専門誌などの編集者を経て、フリーランスとして活動中。

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